版権2 | ナノ
「おそ松兄さんっ」
泣き腫らした目のカラ松が俺に抱きついてくる。そういうチョロ松に見せたら誤解招くようなことはやめてくれませんかね。あいつのことだから「おそカラキタ━(゚∀゚)━!」ってなった後に「やっぱりおそ松兄さんには僕なんかじゃない方がいいよね……」ってネガティブモードになるに決まってるから!
まあそういうところも可愛いんだけどさ!
でもネガティブモードチョロ松って立ち直るまでに時間かかるから大変なんだよね。
「どうした、カラ松」
さりげなくカラ松を引きはがし、兄力全開のスマイルで聞いてやる。これなら、まあ、見られても誤解されないよな?
「いちまつが……おしいれから出てこないんだ」
どういうことなの。
「いちまつ、しにたいっていうんだ」
「おれにはあいたくないって」
「どうしよう」
ぐすぐす泣きながら話すカラ松。うん、その、なんでそうなったの?
「いえない」
「いや、教えてもらえないと兄ちゃん解決しようがないんですけど」
「うー……」
うーじゃないから。そんなとこチョロ松に見られたらどうなると思ってるの。あいつのイチオシはカラ松受けだからね? 一カラ大好きだけどチョロカラも大好物だからね? 食われるよ? そしたら俺はチョロ松の浮気に号泣するからね? たぶんうっかり「カラ松抱くくらいなら俺を抱け!」って言ってチョロおそにされちゃう可能性もあるしさ。チョロ松まじなんなの怖いんだけど。
「俺は、一松のとある秘密を知ってしまったんだ」
「あー」
カラ松はとある、と、内容を濁したが、わかった。
一松がカラ松にバレたくなかったこと。バレたら死にたくなるようなんてこと、一つしかない。
どうやら腐男子バレしたらしい。
「カラ松はさ、それ知って、一松嫌いになった?」
「全然」
だろうね、お前も腐ってるんだしな。
「じゃあそれ伝えたら出てくるし死なないし喜ぶよ。あと、ついでにお前の秘密も教えてやったら?」
そしたらハッピーエンドだって、俺が保証してやるから。
カラ松は「そうか! さすがおそ松だな!」と嬉しそうに一松の元へ向かっていった。
さて、俺はチョロ松にこの面白い事件でも話に行くかね。
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