版権2 | ナノ



*シオンとライナ→幼馴染で両想いだけど片思い
*ライナとリーレ→先輩後輩の関係。リーレはライナが好き



イケメンで、頭が良くて、性格も良くて。まあ女子にしたら優良物件なんだろうというのがライナの幼馴染みのシオンだった。

といっても物心つく前から一緒にいるライナにしてみればシオンなんて大魔王以外の何者でもないのだが。
たしかに顔は良い。頭が良いのは誰よりも努力しているからだ。性格は、破綻しているけど普通はとてつもない猫を被っているので問題ないというだけ。
幼馴染みで隠し事をする必要のないライナに対しては酷い男で。それでも根本にあるのは優しさで。ライナに対して特別なのではなく、自分以外の全てに対して優しい男なのだ。



「だから、好きなんですね」
「ほっとけ」


幼馴染みで、隣人で、家族ぐるみの付き合い。それだけだ。ただの腐れ縁。
だから、シオンが誰に告白されたところで自分は何とも思わない。
シオンが誰と付き合おうがどうでもいい。
ただ、自分はのんびりと寝ていればいい。

「無理しないでください」

水色の髪をした後輩は少しだけ悲しそうにそう呟く。無理なんてしていないのに、とライナは思う。
無理なんてしていない。ただ、焼き付いて離れない。あの二人は付き合うだろうか。どうでもいいけれど。自分には関係のないことだけれど。

「泣かないでください」

そう、抱きしめられた。

「ずっと、シオンさんよりずっと、あなたのことが好きです」




突き飛ばすほどの嫌悪もなく
(目の前の人間を選べたら楽なのに、なんて)






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