版権2 | ナノ



「――様」

誰かがそう、呼んだ。




「――大我様」

もう一度、今度はハッキリと声がする。それが、自分を呼んでいるのだと理解する。

気が付くと自分の足元にひざまずく、小柄な男子。見覚えのない姿に、そして何より自分への敬称に首を捻る。火神大我は一般的な男子高校生に過ぎず、見ず知らずの他人から「様」付けで呼ばれる理由などあるはずがない。
それでもその人物は火神にひざまづいたまま、恭しくそのスニーカーの爪先に口付けた。
正気か、と叫びたかったが声にならない。それほどに有り得ない状況だ。
せめて自分が可愛い女の子だったなら、履いていたものはきっと薄汚れたスニーカーなんてものじゃないだろうし、それはまあ少女漫画のような絵になったのだろうが。しかしこの火神大我は、立派な男である。

「僕はあなたの下僕。あなたの騎士。そして光り輝くあなたに寄り添う影」
「……は?」

少年は訳の分からない言葉を囁く。





「あなたに永遠の忠誠を誓います、火神大我様」





電波的な彼


(とりあえず、お前誰)
(ああ、申し遅れました。現世での僕の名は黒子テツヤです)
(…現世?)
(はい)




‐END‐



す、すみません!
タイトルまんまですが、「電波的な彼女」というライトノベルのパロです。
長々と書けないけどどうしてもこのワンシーンが書きたくてここに投下しちゃいました!






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