短編 | ナノ
「一緒にイきましょう」*
「ね、シュウさん。おねだりしてみて。『イかせてくださいって』」
少年が可愛らしく首を傾げる。
だが、柊にはそれが、悪魔のように見えた。
「誰がッ」
「じゃあずっとこのままですね」
「…………」
少年が「ずっと」と言えばそれは本当に「ずっと」なのだと、柊には想像できた。早くこの場から解放してもらうには自分が恥を忘れればいいのだ。
そんな言い訳は、考える間もなかった。
「……イかせろ」
「御意――敬語がよかったけど、まあ贅沢は言いません」
少年は柊の中から指を引き抜くと、戒めるように握っていたソレからも手を離した。解放されるのだとホッと息を吐きかけると、たった今まで指が蹂躙していたそこに熱く猛ったモノが押し当てられた。
「一緒にイきましょう」
「――え?」
理解する前にグイッと押し入ってこられる。熱い。ひどく熱い。火傷しそうだと柊は思う。
「ぬけっ」
「痛いですか?ごめんなさい。でも――我慢できないです」
答える少年は余裕なさそうに全て押し込むと、柊が慣れるのも待たずに律動を開始した。
「……あ、……う、くぅ」
「気持ち、いい。シュウさん、シュウさん、シュウさん……」
少年がしつこいくらいにシュウの名前を呼んでいるのを聞きながら、そういえばコイツの名前知らないななんて思いながら、柊は意識を失った。
‐1日目・END‐
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