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子どもって怖い(アルクラ)* [ 115/196 ]

突然。何の前触れもなくシオンが手紙を寄越した。

普段会うくせに何でわざわざ手紙なのかと思いつつも開く。そしてとてつもない後悔に襲われる。


中には紙が一枚入っていた。白い、何の変哲もないただの紙だ。






『悪いけどこの子預かっておいてくれ。名前はアルア。素直な良い子だぞ〜?

PS.王命令だ』





…書いてあること以外は普通の紙だと思う。


こいつ何様?
…いや、王様か。





痛む頭を抱えながらクラウはその『子』を見た。

…たしかに素直そうで
可愛いといえば可愛いかもしれなくて


だからといって何で俺が!?



理不尽さにその子どもを睨んでしまいたくなった。が、少年は目を輝かせるように…つまりは羨望の眼差しでクラウを見つめていた。




「よ、よろしくお願いします」

「…ああ」



まあアルアに悪気はない。あるのはあの王だろうし、クラウが恨むべき相手も王だろう。

一つため息を吐いて、クシャリとアルアの髪を撫でてやる。…何故か顔を赤くしていたがクラウは気づかなかった。




注意をして覗き込まないとわからないのだが、アルアの目には朱の五方星が浮かび上がっていた。

それに気づいたクラウが何か口にしかけ、しかし何も言うべきではないと思いとどまる。おそらくその様子気づいたアルアは一瞬悲しそうに笑った。


「あの、一緒にご飯食べませんか」

「あ、ああ」



…困った。
何というか、苦手なのだ。心の傷だとか、そういう未知のモノは。

癒してやりたいと思わなくもない。だが、同時にそれは偽善となる。

…だから、どう接するべきか悩む。



「クラウさんは何がお好きですか?」

「んー」










夕食を終え、さて寝ようかということになる。
その時アルアがクラウの服を掴んだ。



「何だ」

「あの…僕、ずっとお兄さんが欲しかったんです」

「……?…そうか」

「クラウさん、僕のお兄さんになってくれませんか」



その時クラウはアルアを見てはいけなかった。
何故ならアルアは捨てられた子犬がするようにクラウを見上げていたのだ。



「わ、わかった…ここにいる間くらいなら」

「わーい!!じゃ、一緒に寝ましょうね。お兄ちゃん」



…早まったかもしれない





無邪気に笑うアルアだったから、クラウは今更断ることもできない。
何というか…子どもと寝るなんてかなり疲れそうだ。救いといえばアルアが絵本を読めとしつこくいうような年齢ではないことくらいだろう。





…などと甘く見ていたのが間違いで、現在こういう状況下にある。


「……………」


仰向けにベッドに転がっているクラウ。その腰辺りに乗って、無邪気な顔をしているアルア。

…少なくとも微笑ましい光景ではない
クラウの額には嫌な汗が流れていた。



「ア、アルア…?」


声を出すだけなのに、息切れする。体に上手く力が入らない。
そのことにクラウが気づくと、アルアは笑って言った。



「僕、『お兄ちゃん』より『玩具』が欲しかったんですよね」


ああ、そうか…
お前は俺をくまのぬいぐるみに見立ててるんだな!?


などと信じ込もうとしても無駄だった。アルアはさっさとクラウの服を脱がせると露わになったペニスに触れ、ぎゅっと握った。その刺激だけで頭をもたげ始めたペニスを見、アルアはクスリと笑った。



「シオンさんから媚薬と痺れ薬(勝手に)貰ってきたんでご飯に混ぜちゃいました」


…どおりで体が自由にならない筈だ




思わず意識を飛ばしかけるがそうなれば本当に何をされるかわからないので無理矢理意識を保たせる。

こんな子どもにペニスをいじられて感じてしまうなど、断じて認めたくないのに…



「…く、アル…ア……やめ」

「何をですか?」



涼しい顔で答えると先端に爪をたてられる。痛みと、信じられないことに僅かな快感を感じて腰を揺らす。
甘い声だけは出したくなくて唇を噛みしめていたから、血が滲んだ。


冷静になる自分と、靄がかる意識とが同居しているような奇妙な感覚。体を動かそうにもピクリとも動かせない。


アルアは無言でクラウのペニスを強く扱きながら、その奥にあるアナルに濡れた指を押し当てた。
恐怖感に、クラウが体を震わせる。


「おい…何」

「少し、黙っていてください」



子どもの小さな指が入ってくる。だからといって何かを受け入れるなどしたことのなかったクラウのアナルが、いきなり受け入れられる訳がない。痛みと異物感を伴うそれに眉を顰め、必死の思いで体を動かそうとする。

が、その薬とやらは随分と強いようで足の指すら動きそうになかった。




トロリとしたものがアナルに触れる。冷たくてビクリと腰を震わせると指がその液体を絡めて中に入ってくる。

クプリと濡れた音を立て、アナルがアルアの指を飲み込んでいく。


「…あ…、る…」

「すごい…簡単に入っちゃうんだ」



感心したように漏らすアルアの声は子どもが純粋に興味を持つような響きを持っていた。だが、この状況では悪魔のようにしか思えない。



「…ぅ、ぁ…」


たっぷりと濡れたアナルにまたアルアの指が押し当てられる。
指が増え、圧迫感が増す。


「…痛、」

「挿入れますね」



指が引き抜かれ、アルアのペニスが押し当てられる。


「痛ぇ…!」

「…狭い」



成熟しきってはいないそれでもクラウに苦痛を与えるのには十分だった。
痛みに声を漏らすがアルアは構わず奥まで突き上げる。


「…く、ぁ……る」

「………」



アルアは無言で突き動かしていた。クラウのペニスに指を絡め、次第に快感を与えていく。






果てると同時に意識を失ったが、アルアの悲しげな表情が脳裏に焼き付いた。











    ***



「…ごめんなさい」


意識を浮上させた時、今にも泣きだしそうな子供がそこには居た。


「何がだよ」

「クラウさんに、酷いことして」



よくわからない。さっきまでのアルアとはまるで別人だ。
叱られるとわかっていてなお謝る子どものような…


「僕、クラウさんが好きで…シオンさんに相談したら……」

「相談するやつを間違えたな」



喜々としてクラウをからかうネタを考えるシオンが浮かぶ。
クラウの中に怒りはなかった。相手はまだ子ども。想いの伝え方がわからずに戸惑っていたのだろうと。



「…まあ、怒ってねえから」

「本当に?」

「ああ」

「僕のこと、嫌いになったりしてませんか?」

「ああ」

「もう一回してもいいですか?」

「ああ…──!?」


うっかり返事を返したのが運のつき。

再び押し倒されたクラウはシオンに対する恨みの言葉を叫んだとか。




…果たして、アルアの本性はどちらだったのか。
そのことにクラウはしばらく悩まされることになる。




─end―



…直接表記はもうやらない(汗)
何だかわけのわからない展開で今ひとつな出来に…水無月さん、貰ってくれてありがとうございました!!


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