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まどろみのなかで(?×ライナ) [ 63/196 ]



眠っているとたいてい見つけてくれるから。
隣に戸惑って座るのを感じたくて。

ポカポカ日の当たるベンチで、今日も彼は眠る。









日の当たるベンチを見つけて、ライナは迷わずそこに腰掛けた。
おもむろに目を閉じ、もたれ掛かるようにすればすぐに睡魔が襲ってくる。

微睡みの中でライナは辺りの気配を窺っていた。



ほんの僅かな気配。『何者か』が動いたために生まれた風がライナの頬を撫でる。

だが、ライナはそれに気づかないフリをして眠る。



「………」



男は何も言わずにライナの隣に腰掛けた。






優しく、髪を撫でる手。
躊躇いがちに撫でながら、時折我に返って乱暴にかきあげて、その後にはいっそう優しく。



おかしくて、笑い出しそうになりながら堪える。あと少し。もう少しだけ。

ずっと眠っていたいなんて、思いながら。



─end─


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