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劇:眠り姫(ライナ総受け+フロクラ?) [ 117/196 ]





 むかーしむかし、あるところにたいそう美しい姫がおったそうな。

 ところがその姫はもろもろの理由により100年の眠りにつきました。



 その100年目、一人の王子が棘をなぎ払って姫をすくいにやってきました。











 王子の名はシオン・アスタール。銀の髪を風になびかせながら嫌みったらしく登場です。


「きっと姫はライナだな♪」


 シオンはいそいそと城に乗り込んでいきました……





 ……が、

 
 シオンの目の前にとある人物が降ってきました。


「ライナさんを助けるのは私だ!」


 リーレ・リンクル。シオンの兄でした。

 いつも冷静な眼に少しだけ炎をちらつかせています。



「俺が助けるんだよ!」
「私だ!」



 二人は棘そっちのけで戦い始めました。どちらが勝とうと負けようと、これではずいぶんと時間がかかることでしょう。




 その二人を尻目に、中に入っていく人影がありました。










 棘の前で争うシオン、リーレにしめしめと笑いながら城内に入った一人の男。



 クラウ・クロムでした。ちなみにシオン、リーレとは兄弟です。

 三兄弟の仲で一番――というか唯一の――女好きです。

 当然、彼はこの城にいるのが女だと信じて疑いません。まあ普通は女がいますから。




「姫、起きてくだ……」




 次の瞬間、クラウは言葉をなくしました。





 とりあえず、その人はドレス姿ではありませんでした。






 ドレスじゃないなら何なのかというと、まあその人の普段着でした。でも、ちょっと類を見ない服装です。


 そう、ベッドに寝ていたのはフロワードだったのです。


「私がいては何か問題でも? クロム元帥」

「いや、普通いるのは女だろ。何のための眠り姫だよ。お前姫じゃねえし。何より寝てないし」

「まあ、私は姫ではありませんね」


 そういって、フロワードはクラウをベッドに押し倒した。



「何すっ……ぎゃああああああああ!!!???」




 哀れ、クラウの叫び声は城中に響き渡ったそうな。













 では、ライナは?




「ぐうぐう」


「ライナ先生、起きてくださいよぉ」



 アルアがライナをちょっぴり泣きそうになって起こしていたとか。



「起きないとキスしますよ」

「すやすや」

「そんな風に声だして寝る人なんていませんよ」

「ぬーぬー」

「なんか訳わかんない寝言になってるんですけど!?」

「まあ気にすんな」

「って起きてるじゃないですか!!!」



 めでたしめでたし♪


―――

何かいろんな意味で間違ってる気が……さり気にフロワード×クラウです。そう見えなくてもそうです。でも逆のが好きな方にも平気そうな気がします。
実はアルア×ライナのほのぼの新婚(?)生活だったオチ(?)です。(^^;)


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