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トモダチ(闇夢×夢×闇夢) [ 132/196 ]
・気持ちだけは百合です(でも友情にしか見えません)
・闇夢×夢×闇夢……
・ちなみにダークドリームの名前は、みくしで載せられていた「闇原ゆめみ」を使わせていただきました
・公式の名前ではありませんのでご注意を
――トモダチだよ
誰かがそう、言った。
彼女は教室の片隅でぼんやりと外を眺めていた。
そこからは五人の少女が楽しそうに笑っているのがよく見える。彼女はそれを面白いともつまらないとも言えないような表情で眺めていた。
友達とは何だろう。他人にあれほど気を許すなんてことどうしてするのだろう。
彼女は不思議がり、しかし答えは見つからない。
その時、
――ガタッ
「あ、闇原さん。一緒にご飯食べようよ!」
たった今まで見ていた筈の五人の内の一人が、教室へ入ってきた。
彼女はしばらくの間、それが自分に向けられたものだと気付かなかった。
「………わたし?」
「うん!!」
「…………何で」
「だって一緒に食べたら楽しいもん。それに、闇原さんと友達になりたかったから」
友達?
そのあたたかな響きに心が揺れた彼女。
彼女は、だから、ずっと聞きたかった言葉を口にした。
「どうしたら、友達になれる?」
どうしたら、友情は始まるのか。
どうしたら、信用することができるのか。
どうしたら、一緒に笑えるのか。
「簡単だよ」
彼女の手が、優しく握られた。
「もう友達だよ、ゆめみちゃん」
その言葉がどうしてか嬉しくて彼女は頬を熱いものが伝うのを感じた。
「ダークドリーム」
誰かが彼女を呼ぶ。
「…………」
夢を見ていたようだ、と彼女は思った。
生まれたばかりの彼女にはそれが夢だという確信は持てなかったけれどそれは夢だった。
生まれるまでの間、見ていた夢。
中身はほとんど覚えていない。ただ、幸せだったのを覚えている。幸せという感情もやはり彼女にはわからなかったけれど、きっとあれを幸せというのだ。
きっと
けれどそんな夢さえも彼女はすぐに忘れてしまった。
ただ、笑う五人を見て、胸が裂けるような気持ちになる。
――わからない
――どうして?どうして笑っているの?
そっと自分も口角を持ち上げてみるけれど水に写ったそれは歪んだ表情でしかない。
あの娘はあんなに笑っているのに。
笑えたからどうということではないのに。彼女はそれがどうしても気になった。
――トモダチ…?
それはどういうものなのだろう。
くだらないものだと教えられたのに、どうしても気になった。
‐END‐
07.12.11
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