ダメダメ戦隊 | ナノ 第19話 UFOを探せ!-おまけ-


……どうも、相原橙悟です。
今日は近所の山に来ています。

UFO探し、と馬鹿は言っています。






楓市にUFO現れる、みたいなニュースがやったのは当然のごとく地方局。まさか全国ネットでそんなくだらないことは放送しないだろうし。
そのUFOが目撃された山がわりと近くにあったのが運の尽き。榊玄也が目を輝かせて「宇宙人を探しに行くぞ!」と叫びだした。

……そんなわけで、いつものメンバーでその山にいるのだけれど。


「……UFOかー。あれかなり胡散臭い番組だったよね」
「信じるやつが存在した上に知り合いだというのが驚きだよ、浜谷」


そもそも榊は何でスコップを持っているのだろう。UFOは地中に埋まっていると思っているのか。しかし何故。

「玄也、掘った穴は埋めろ」

金子が至極当然のことを言うと榊は不満そうに唇を尖らせた。そういうのは女の子が……それも可愛い女の子がするから見るにたえるのであって、男子高校生がやる場合撲殺したくなる。が、我慢。
榊が穴を掘ったり埋めたり、金子がそれを手伝っているのを眺める。


「相原君」
「何、浜谷」
「灰那遅いね」
「うん」
「……嫌な予感しかしないんだけど」
「……うん」


浜谷紫杏は来ているのだけれど、山口灰那だけまだ来ていない。またろくでもないことを考えているのだろうけれど……それなら来なくていいのに。




「ごめん、UFO×宇宙人妄想してたら1本書けちゃって……遅くなっちゃった!」



……いや、本当に来なくて良かったのに。




仮にUFOが存在したとしよう。
万が一この山に来たとしよう。
悲しいことにそれが今この瞬間だとしよう。

……それでも、榊玄也がUFOを目撃する確率はゼロだ。
だって考えてもみてほしい。空を飛ぶはずのUFOを探すのに地面に穴を掘るような人間の皮をかぶった馬鹿という生き物が、どうしてUFOを目撃なんてできるだろう。


「あと山口にも発見してほしくないな。気持ち悪いことになりそうだから」
「たしかにそうね」

遅刻してきた山口灰那は先程から『それとも宇宙人だったらやっぱり触手とかあるのかしら。でもあえての触手ある方が受けっていうのも斬新よね』などとブツブツ言っている。
内容を理解したら負けだろう。
とりあえず灰那は宇宙人より何より危険な人物だと思う。


「あ、誰かいる」


紫杏が呟く。
すると正面に5人の人影が見えた。
宇宙人……ということは有り得ないから、人間だろう。


その中に、福島蒼がいることに気付くのはすぐだった。





ここで、記憶がとぶ。









後日、「相原君だけはまともだと思ってたのに……」と泣きながら言った紫杏がいたとか。



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