ダメダメ戦隊 | ナノ
第19話 UFOを探せ!-後編-1-
……とはいえ相手は未確認飛行物体。ただやみくもに探したからといって見付かるはずもない。
そもそも情報源が確かとは言い切れず、むしろ胡散臭いのだ。頑張ったところで無駄になる確率は実に100%(と、蒼は言い切る)
故に、サボる。
「「出てこいうちゅーじん!」」
叫びながら紅と玄也が歩く。士郎と太陽が続く。
その後にぞろぞろと列を成すのが碧、桃介、灰那、紫杏、の女子(若干1名「自称」と付くものがいるが)。それから更に後に蒼と、それをうっとりと見つめながら歩く橙悟。
数えてみればなんと10人。
……道理で歩きづらいはずだ。
紅と玄也はどちらが先にUFOを見付けられるかで張り合っているし……いつぞやのゲーセンでの勝負の続きのつもりらしかったが。
ちなみに全員の名前は相原橙悟少年が教えてくれた。ちょっと変だが良い少年だ。
お返しにこちらの紹介もしなければならないのかと遠い目をしたところ興味がないので大丈夫だと答えてくれたところもポイントが高い。こちらの「面倒くさいから嫌だ」という空気をしっかりと読み取ってくれたらしい。空気読めるって素晴らしい。
「福島さんは好きな食べ物とかあります?」
「…………」
「あ、あるんですか。僕もありますよ。和食とかお好きですか?」
話さなくて良いって楽だな……。
しかしまあ、変は変だな。相原少年。
そんな風にUFOだか宇宙人だかを探し始めて30分……
当然見付かるはずもないわけで、探しはじめた直後と何ら変わりない蒼たちがいた。
「うちゅーじんやーい!」
(そもそも本物がいたところでそんな呼び掛けにホイホイ出てくるわけないよな)
そろそろ帰ろうかと思ったその時――
蒼は、違和感を抱いた。
何かが、今、視界に入った。
(人影……?)
木々の間からこちらを覗いている人間がいたような気がした。
しかし普段からあまり人の訪れることがない場所だ。この状況で現れる人間といったら思い浮かぶのは3種類。
@所有者
もちろんこの山の所有者だ。いい年した大人が人の山でUFO探してるとか……どういう目で見られることか。説教されるか、白い目で見られるか。どちらにしても帰ることになるだろう。
あ……帰れるからラッキー?
AUFOを探している人間
最悪すぎる。五月蝿いのが増える。
そして……
B宇宙人
帰ろう。
もしも。万が一。まかり間違って。
有り得ないことだけれどまさかそんなヘソで茶をわかして更にお茶漬け作って食べるよりも有り得ないことだけれど。
宇宙人だったら、コイツら置いて逃げよう。
宇宙人が怖いという思いも、それへの興味も、一般市民程度には持ち合わせているつもりだ。
だからこそ……逃げる。
「俺帰」
「今誰かいたぞ!」
「宇宙人かも……!」
それだと1番面倒くさいパターンだから全力で否定したい!
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