ダメダメ戦隊 | ナノ
第8話 馬鹿も阿呆も風邪を引く‐おまけ‐
次の集会では、見事に復活した紅がいつも通りに現れた。もう数日寝込んでいればよかったのに。
「この間は悪かったな。でも、もう大丈夫だ!」
やはりちょっとやそっとの高熱くらいでは紅の頭はまともにならないらしい。今度は本当の記憶喪失にしてやろうか。もしくは朱をリーダーにしてみるか。
……ま、今の方が面倒臭い分、ずっと面白いのだけれど。
「……ん? 藤村は?」
「風邪だ」
嫌な予感がしつつも答えると、紅は驚いたように目を見開いた後に、高らかに叫んだ。
「よし、お見舞いに行くぞ!!!」
「「おー!!!」」
「……おー」
その後、あんなに言い聞かせたのにもかかわらず高熱の中腕立て伏せをしようとしていた太陽を止め、
何故かよりにもよってシクラメンの鉢植えを渡す紅を止めようとしたが、太陽も紅もその意味を理解していなかったためまあいいかと見届けたり、
たまご粥を作ろうとしていたはずの碧の鍋から黒い煙が上がったり、
結局まともなたまご粥は桃介が作ったり、
放っておくと起き上がろうとする太陽を布団に縛り付けるという嫌な役目は何故か蒼に回ってきたり、
まあ、予想通りのお見舞いが行われるのだった。
‐end‐
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