厄介な無自覚(リズライ♀)
2011/06/02 22:21
幼馴染みはひどく睡眠を愛していた。ひょっとすると一日の大半を睡眠に費やしているのではないかと思うほど。いや、実際そうなのだろう。
放っておくといつまでもいつまでも眠り続ける彼女は童話の眠り姫を思わせた。
もしも彼女が眠り姫なら、それを起こす王子はやはりレファルだろう。
そんな童話めいたことを思いながら、リーズは深くため息を吐いた。
近頃、ぎくしゃくしているなあ、と思う。
少しずつ、何かが動き出したみたいに。誰かが何かに気がついて。誰かが気づかないフリをやめたのだろう。それがどうもぎくしゃくを生み出して。なんだか面倒なことになってきていた。
おおよそ、何が起こったのかわかる。予想できていたことだ。原因は眠り姫とそれを取り巻く環境といったところか。
ああ。面倒くさい。
一番面倒くさいのは一人無自覚な人間がいることか。それとももう一人の思うところがわからないことか。その両方か。
……さあ、どうしようか。
下手に引っかき回さずに傍観者を続けてもいいのだけれど、いいかげんこの恋愛小説の結末を見てみたい。
さあ、どうしようか。
そろそろ参戦してみてもいいのだけれど。その前にレファルを自覚させておこうかな、なんて。
「ライナに告白することにした」
さすがに、これで自覚してほしい。
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