移ろう景色と変わらない二人
桜並木。
川。
紅葉。
牡丹雪。
「よしのりくん？」
「なあに、しょういちくん。」
「おっきくなったら、なにするん？」
「わかんない。」
桜並木。
川。
紅葉。
牡丹雪。
「佳典。算数の教科書貸して。」
「んー。いいよー。」
桜並木。
川。
紅葉。
牡丹雪。
「諏佐ー。ワシなー。」
「いいよもうお前の話はー。」
景色は変わる事なく変わり続ける二人を見つめ続ける。いつまでも、この街で。
「諏佐ー。お前今日何コマ目からやったっけー？」
「えーっと、３コマ目。」
「ワシと一緒やなー。」
「つきまとうなよー。」
いつまでも、成長し、変わり続ける二人を見つめ続ける。
「お、同じ会社、受かったの。」
「…おう。仕事まで一緒かよ。」
「…なあ。」
「ん？」
「結婚、せえへん？」
「…ああ。」
桜並木。
川。
紅葉。
牡丹雪。
移ろう景色はいつまでもこの街で、変わらない二人を見つめ続ける。
某氏と共通のお題で話を書こう！ということになり書いたもの。お題は『昔と今』でした。
小さい諏佐先輩もいいのですが、社会人になった諏佐先輩も味わい深くて好きです。諏佐先輩ならなんでも好きです。
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