「....名前?」
大きく目が見開かれるのが分かった。
それは、目の前のその人も同じで。
『お久し振りですね、三郎次先輩。』
ゆっくりと微笑んで答えた。
先輩がいたコンパートメントに入れてもらうと、やはり、というか。他の2年生の先輩方もいた。久々過ぎる顔合わせに顔が緩みっぱなしだ。始めは騒がしいコンパートメントも、やがて落ち着いて行った。
『にしても、本当にお久し振りですね。』
「お前だけだったぞ、会ってないの。」
『え、じゃあ皆や他の先輩方にはもう会っているんですか!?』
肯定の言葉が返ってくる。なんてこと、皆がいるってことが分かったのは嬉しいけど、なんで私だけこんな遅く再会したんだろう。そういえば兵太夫も私にだけ会っていないって言ってたっけ。
「でも、やっと名前ちゃんに会えて嬉しいんだなぁ。」
ほわほわとした笑顔でしろ先輩が言ってくれた。
『私も嬉しいです!』
再会を機に昔話に花を咲かせていた頃、三郎次先輩がふと、こう言った。
「そういえば、今年ハリー・ ポッターが入学するそうだな。」
「ああ、僕も聞いた。それ本当なのか?確かに、ハリー・ ポッターは今年で11歳だけど。」
『本当ですよ。私、この間一緒にダイアゴン横丁でホグワーツの準備で買い物しましたから。』
左近先輩の言葉にそう返すと、驚きの声が上がった。
「ハリー・ ポッターとって....まさか知り合いだったのか?」
『いえ、ハリーを連れていた..ホグワーツの森番のハグリッドが私の両親の知り合いで、一緒に買い物に行く予定だったらしくて。その時に。』
久作先輩の質問にこう返した。
それから寮だったりクィディッチのことを話している内に、ホグズミード駅に着いた。