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星食みの叛逆






ただ真っ直ぐ。ひたむきに。一直線に。


「おらぁあ!!」


超サイヤ人になって、気をまとった拳を緑の獅子に叩きつける。が、元がでかい図体しているからかほんの少し仰け反ったくらいで大してダメージは負わせれてなかった。


「無駄さ、無駄無駄!神の力の前に人間は平伏すしかない!」

「神の力なんてあんたには手に余るんじゃない!?この世界の神様見たことあんの!?私より年下の可愛い子だからね!!」

「口の減らない小娘め…!」


緑の獅子の背に佇むレブルが飛ばしてくる妙ちきりんな術をほぼ反射で避けながら気弾を飛ばす。
あのデカブツを壊すにしても、まずは中にいるエマを助けないと。でも私の攻撃は全部分解されてしまう。素手で触ろうものならきっと…


「お姉ちゃんッ!!」


どうにか打開策を脳内で巡らせていた時、背後からロゼさんを背負った悟飯が飛んできて……って!


「悟飯!来ちゃダメって言ったのになんで来たの!!おまけに怪我してるロゼさんまで連れてきて…」

「ご、ごめんなさい、でも…!」

「彼を怒らないであげてください、シュエさん。私が無理を言って連れてきてもらったんです」

「なんでそんな…」

「無茶だとかなんとか言うなら、お姉ちゃんにだけは言われたくないよ」

「うぐ…」

「…それより、あなたに渡したいものがあります」


悟飯の背中から降りたロゼさんは、オルゴールほどの大きさの木箱と彼女の腰のホルスターに収められている銃を私にさしだしてきた。


「これは…」

「シュエさんが行ったあと、急いで錬成した弾丸です。…ひとつの大きな力として見立てることで作られた緑の獅子に対し、この弾丸は私という小さな命からできています。錬金術の基本であるマクロコスモスとミクロコスモスの対概念と、賢者の石の不浄を払う概念を応用すれば、おそらくあの障壁を破ることが可能かと」

「……………悟飯、わかった?」

「何となくどころかふわっとしか理解できなかった…」


私、お母さんのスパルタ教育のおかげでそこそこ頭はいいはずなんだけど、今ロゼさんが言ったことがちっとも理解できない。こ、これが専門用語と言うやつか…!
未知の世界すぎて戦慄くわ。


「この弾丸を装填できるよう、私の銃を改造しました。姫様がいるのはおそらく中心部…」

「つまり、あいつの腹ん中ってことね」

「えぇ。これが当たりさえすれば障壁が崩れます。しかしレブルのことですから、修復機能を備えていないはずはありません」

「なら、障壁が閉じきる前にあれの外装をぶっ壊してエマを助け出す」

「…リプカと関係のない皆さんを巻き込んでしまい、本当に申し訳ありません。ですがどうか…どうか姫様を、よろしくお願いします…!」


小刻みに震える手で差し出される弾丸と銃。私はそれをロゼさんの両手ごと握り込むようにして受け取った。


「大丈夫、きっと助けてみせます。だってエマは、私の一生の親友ですから」

「ありがとう、シュエさんッ…!ありがとう…!」


ロゼさんから受け取った銃に弾丸を装填し、腰帯に差し込む。彼女のおかげで勝機が見えてきた。…けど、これはきっと私一人では成し遂げられない。
くるり。ぽかんと呆けている悟飯に向き直り、手を取った。


「…ねぇ、悟飯。私、きっと一人じゃこの作戦を成功させられない。手伝ってくれる?」

「!!……やっと、僕を頼ってくれたね、お姉ちゃん」

「えへ」

「…お二人共、どうかよろしくお願いします」

「「はい!」」


悟飯と並んで緑の獅子を見上げる。
少し目をずらせば隣にがいてくれる。たった1人で抗うより、誰かと一緒に並んでいた方が心強いことに改めて気付いた私だった。





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錬金術だとかマクロなんとかやミクロ何とかについては一応調べたりしていますがふわっと流していただければと思います。
なぜならそれは「二次元だから」の魔法の言葉に変換されますので((殴

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