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『ベジータ王、ばんざーい!!』


あちこちから上がる大歓声を、パラガスさんの部下たちの隙間から眺める。すんごい暑苦しいな、なんだこれ。
まぁ、暑苦しい原因は他にもあるけれど。背中にへばりつく悟飯の額をぺちり、とはたいた。


「いたい…」

「少しの間でいいから離れようね」

「嫌ぁ」

「嫌ぁじゃないの嫌ぁじゃ」


それにあんた、スリットの隙間から手突っ込んで私の脚なで繰り回してるの知ってるんだから。
…はぁ、うん、もういいや。
なんか後ろでじっちゃんがカサカサ這いつくばっているけど、まぁあれはウーロンさんに任せよう。きっと触れちゃダメなんだと思う。

事の成り行きをぼぅっと見ていると、宮殿の中から部下の一人が忙しなく出てきた。彼は跪くと、伝説の超サイヤ人が現れたと告げた。
それを聞いたトランクスさんはぐ、と眉をしかめる。


「さっそくその星へ向かう。ブロリー、後に続け!」

「父さん!闇雲に行っては危険です!もっと情報を集めてからでも…」

「臆病者はついて来なくてもよい!ブロリー、早くしろ!」

「父さん!!」


全く聞く耳持たずなベジータさんに溜め息を漏らす。全く、すっかり王様だね。呆れるよ、ほんと。
ベジータさんは複数の部下を連れて瞬く間に宇宙船に乗り込み、この星を去っていった。


「まぁ、大体こうなるとは思ってたけどね。予想通りっちゃ予想通りなんだけど」

「どうする、お姉ちゃん?調べついでにこの星を見て回るのも手だとは思うけど…」

「そうしようか。ねぇ、クリリンさんたちはどうします?」

「一緒に行くよ。お前たちだけじゃ心配だしな」

「俺も行きます、少しでもこの星のことを知っておかないと」

「俺はパース。ここでこの酔い潰れじーさんの面倒見てるからよ、お前たちだけで行ってこいよ」

「酔いはもう覚めたわい!」


じとり、と全員でじっちゃんに視線を送った。






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