自殺部4 | ナノ


「―――ッ。」
身体中が汗に塗れていた。
まただ。
また・・・この夢だ。
昔の夢。

家族が殺された俺以外の全員が殺された。
家族が殺されて俺は斬られて俺はあいつを殴っていて警察が来て俺は家族とあいつの返り血に塗れていて自分の血でもいっぱいになっていて―――!?
・・・駄目だ。これ以上考えるな!思い出すなッ!!
昔の夢じゃないか!もう終わったことじゃないか!!

・・・夢じゃ無い。夢なら良かった。

今のがただの『有り得ない夢』で。
昔の・・・『現実で起こった有り得た夢』じゃないのなら。
どれほど良かったことか!!?
・・・もし本当に。
ただの夢なら。
今頃俺は目が覚めたことに安堵して。
いつも笑って迎えてくれる家族の顔を見て・・・また安心するんだ。
もう『過去』のことなのに。
あれ以来いつだって、そんな『未来』を夢見ていた。
―――なんて馬鹿らしいことなのか!!!
・・・吐き気がする。いつもこうだ。
あの夢を見たときは。
・・・・・・もうどうでも良い。
吐き気がしようが、悪夢を見ようが。
だって、俺は生きているのだから。
父さんの。
母さんの。
兄ちゃんの分まで生きてやる・・・・・・!!!


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