一 | ナノ
小説っぽくはしていないので描写が少なめ。


1999/11/13(木)
ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい悪いこでごめんなさいゆるしてくださいおねがいしますおねがいしますよいこになりますから
おねがいしま
ごめんなさいごめんなさいどげざってどうすればできますか?
おねがいしますおしえてくださいゆるしてください
どげざすらしらないぼくをゆるしてください
ごめんなさ
ごめんな
ごめ

 
そこからは破れていて読めない。



「空はこんなにも穏やかで。
   こんなにも奇麗で。
   こんなにも広い。
・・・なのに、私はなんてちっぽけで、汚いんだろう。」
彼女は両手を広げて冷えた空気を空切り空を仰いだ。
その姿は素であれ人気アイドルの影(かたち)であれ―――躑躅森零名本人の言葉だった。
少し青みがかった長い髪が、風に煽られて空と同じように、広がる。
「・・・そもそも『私』個人というよりかは、人間自体が小さい存在じゃないか。
ある程度の知能があるから、人口や科学力、果ては宇宙へのロケット打ち上げ・・・人間は絶えず進歩し殆どの土地は人間により所有され管理されている。
だから人間が全てを支配できるなどという錯覚に陥るだけだ。
でも実際には天災に敵う筈もないし、人間は生物のごく一部でしかない。
・・・そして、人間は誰しも汚く狡い。
でも、まあ普通の人と比べれば君はまだマシなんじゃないかな。」
やたら長い台詞の言い終わりに、とってつけたような慰みの言葉を吐く。
一応、社会の中の人間であるし、ある程度のフォローは必要だと思い、つけただけ。
それ以外に、何の意味もなんの感情も自分には存在しない。
自分の言葉にも存在しない。
それでも彼女は笑う。
「あはは、相変わらずたーちゃんは厳しいっていうか、面白いよね。
そういうところも、好きだなあ。」
彼女ははにかんで、先程自動販売機で買ったばかりのアセロラジュースを口に含ませる。
美味しそうに飲むその格好は、きっと傍目から見れば愛くるしいのだろう。
「・・・そりゃどうも。」
「んもー、だったらもう少し嬉しそうな顔して欲しいなあー。いっつも無表情なんだもん。
たまには、笑おうよ。ねっ?」
「・・・なんのメリットも無い。意味が無い。」
「むうー・・・べろべろばー!」
彼女は元気良く整った顔を指で無理矢理に歪ませ、舌を出して動かす。
「・・・・・・。」
「わ、笑わない・・・私の得意技なのに!」
ムンクの叫びのごとく手を頬に当て「おーまいごっど!」などと小さく叫んでいる。
・・・こいつ、馬鹿っていうのかな?
まあ、いいや・・・。
「おい、もう病室に戻るぞ。ここは冷える。」
自らのジャケットで彼女を包み、目で来るように促す。
言葉を紡ぐのも面倒臭くなった。
「あ、うん・・・ありがとう!」
彼女は季節外れの、狂った向日葵のように笑った。
一々笑う奴だ。


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