(ボーダーラインとは、の続きです)(つがるの夢精ネタ/前半性的描写あり/つがるの知能低め)









ここはどこだ?
見慣れた天井。ああ、いつもサイケと過ごしている部屋だ。
サイケもそこに居る。俺の上に跨がり、何かしている。新しい遊びだろうか?

(……ん?)

ぼんやりとサイケを眺めていると違和感を感じた。
サイケの様子がおかしい。いつもと違う。
腰の辺りまで綺麗に伸びた黒髪。ここからチラリと見える胸の膨らみ。丸みがあった可愛らしい輪郭はシャープになり、手足もスラッと伸びている。
見た目は臨美とそっくりだったが、俺がサイケと臨美を見間違える筈がない。目の前の人物は、確かにサイケだ。
多分、大人のサイケ。何となくそう思った。
そして何故か俺は裸だった。ぐちゃぐちゃになった着物を視界の端で捕らえる。

ぴちゃ、ぴちゃ、と鼓膜に響く水音。音のする方に目を向けると、サイケが俺の下半身に顔を埋めていた。

「……!?」

何をされているのか理解した瞬間、今までぼうっとしていた頭が覚醒し始めた。
サイケに、舐められている。ペニスを、舐められてる……!

「ん、ふ…っ、つがるの、おいひいよぉ……ッ」

サイケの口から漏れる声は、いつも以上に甘く蕩けていた。
初めて感じる刺激と快感。サイケの舌がペニスの先端を舐める度に何かが込み上げてきて今にも爆発してしまいそうだった。
舐められただけでも頭がおかしくなりそうなのに、サイケはあろうことか俺のソレを口にくわえた。生暖かいサイケの口内は気持ちがよくて、更に玉まで揉んでくるものだからたまらない。

「サイケ、サイケ……!だめ、だ……っ、漏れちまうっ」

ペニスを掛け上がってくる何か。それに抗う術を知らない俺はそのまま びしゃっ、とサイケの口の中に漏らしてしまった。


ブツン、とそこで映像は途切れた。





ハッ、と目が覚めて、今見ていたものが夢だったと気が付いた。

「……え」

そして下半身に違和感があるということにも。パンツが湿っている。
おねしょ!?俺、この歳になって漏らしたのか!?
ショックが大きくて暫く身体が動かなかった。が、こんなところを静雄や……ましてやサイケなんかに見られたら羞恥で死ねる。恐る恐る隣で寝ている(充電している)サイケを見てみると瞼を閉じていて、俺の異変に気付いている様子はなかった。
時計を確認すると夜中の2時。静雄も寝ている時間だろう。

俺はこっそりと部屋を抜け出して洗面台に向かった。
蛇口を捻ると、ジャー、と思いの外 水音が響いて、誰か起きて来ないかと不安になった。
こんな場面を見られたら言い訳が出来ない。
こっそりと持ってきた新しいパンツに履き替え、濡れてしまったパンツを洗おうとした。……が、そこであることに気が付いた。さっきは気が動転していておねしょをしてしまったの思ったが、何かが違う。
尿にしては量が少なく、白くネバネバとしていて粘着性のある液体。ツン、と鼻をつく匂いはおしっこの匂いではない。何となく、イカの匂いがする。
どうやらおねしょではないらしいことへの安堵。そして見たことのないものへの不安。

「何だ、これ……」

パンツにこびりついた白い液体に鼻を近付ける。やっぱりイカ臭い。
何だこれ、何なんだ、これ!
得体のしれないものが怖くて仕方ない。分からないものは早急に頭にインプットしておかなければならないと、本能のままに恐る恐る舌先で舐めてみた。

「……うぇ」

苦い。とてつもなく苦い。口内に絡みつく粘りと、舌先に残る苦味を消そうと口を濯いでいると、背後から気配を感じた。

(……見付かっちまった)

じわりと背中に汗が伝うのを感じながら、顔を上げて洗面台の鏡越しにその姿を確認する。

「津軽?何やってんだ、手前」
「……静雄っ!」
「洗濯なら籠に入れておけよ?」

そこに立っていたのは静雄だった。バレた、けど怒った様子はない。
それよりも俺はこの白いものが何なのか知りたかった。静雄なら知っているだろうか……?

「……静雄。あのな、教えて欲しいんだ。白いのが俺から、出て、ネバネバしてて、イカの匂いがして、その、なんだかよくわからなくて、なめたら、苦くて、俺……俺、故障したのか?」
「あ?」

上手く説明出来ずに途切れ途切れに話す俺を不思議に思ったのか静雄が首を捻る。
そして俺と俺のパンツを交互に見つめて、何故か嬉しそうに笑った。

「そうかそうか、津軽、手前夢精したのか」
「む、せい……?」
「手前、何かエロい夢見たろ?」
「……!」

その言葉で瞬時に頭の中に浮かんだのは、夢の中の淫らなサイケの姿だった。

「故障じゃねえから心配すんな。手前が成長してる証だ」
「成長……」
「ああ、この前サイケが生理になって大人に近付いたように、お前も大人になっていってるってことだよ」

ぽんぽん、と俺の頭を撫でる静雄は、マスターというより兄と言った方がしっくりくるような気がした。

「大人、か」

思わず口元が緩む。サイケと一緒に成長しているという喜び。俺だけ子供のままなんて嫌だったから嬉しかった。

「まあ、俺や臨美みてえにセックスだなんだっていうのはまだ先かもしれねえなあ」
「せくす?何だ、それは」
「まだ知らなくていい。教えたら臨美に怒られそうだしよ。臨美はサイケを本当の妹みてえに可愛がってっから、手前が手出したなんて知ったらゴムはつけたのか、なんて口煩いだろうしな」
「?何の話だ?」
「いや、こっちの話。ああ、汚れた下着は洗濯籠に入れておけば明日洗うからよ。津軽も早く寝ろ」

ひらひらと手を振りながら寝室に戻っていく静雄の広い背中を見届け、言われた通りに洗濯籠に汚れたパンツを入れてから俺も部屋に戻ることにした。



(せくす、って何だ……?)



俺がそれを知るのはまだ先の話。



























20101007
皆さまの優しいコメントに背中を押され、書いてしまいましたー!サイケが空気ですみません>< 頭の弱いつがるがまた書けて幸せでした(笑)




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