初めの終わり、エーテル=ストラヴァンは語る。

『無の存在』


初め、宇宙には時間も空間も何も存在しない『無』が存在した。

色すらも存在しない『無』。
その『無』を強いて色で表すなら、それは一点の穢れもない白なのだと私は信じている。

『無』は果てなく広がる白で、長い間同じ姿でただ存在していた。
いや、本当は狭く真っ暗な一瞬の存在なのかもしれない。
しかし、私が生まれた時、周りには何も無く、真っ白な景色が広がっていた。
永遠にただあれば良いと願ってしまう程の綺麗な白の状態が、そこにはあった。

正解も間違いも存在しない『無』。
だから、真実は誰も知らない。

確かなことは、私が『無』に終わりをもたらしたということだけ。
あの美しさを終わらせてしまったのは、あの美しさを知る自分であるということだけ。


…….


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