作戦6、ヤキモチ妬かせてみる


「いや無理でしょ」
「無理だね」
「無理ですね」
「何なのみんなして!」


やりもしないで無理とかネガティヴ過ぎるでしょ!


「君がうざいくらいポジティブ過ぎるんだよ」
「澄晴くん心読まないで!」
「いや口に出してましたよ…」


やばいやばい。気を付けないと……じゃなくて!


「ヤキモチだよ!」
「だから無理だって」
「無理ですよ」
「無理ですね」
「もーー!!少しは協力してくれても良いじゃん!心の友でしょ!」
「心の友って…」
「心の友になった証に、私は澄晴くんと新ちゃんのこと名前で呼んでるんだからね!」
「…あー、なんかそんなこと言ってましたね」
「そんなこと覚えてないよ」


2人とも薄情だ!
私が頬を膨らますと、キョトンとしてる出水くんと目が合った。

……出水、くん………あ!


「1番の心の友なのに出水くんのこと名前で呼んでない!」
「良かったなー出水。1番の心の友だって」
「何故か嬉しくないんですけど…」
「そういえば、イズミって最初名前だと思ってたからかも!ごめんねー心の友ー!」
「わっ、ちょ、抱きつかないで下さいよ」
「照れるな照れるな、公平くん!」
「…な、なんか慣れないです」
「じゃあ公ちゃんが良い?」
「いやさっきので」


間髪入れずに答えた公平くん。
そうかそうか!そんなに気に入ってくれたんだね!可愛い後輩だなー!


抱き着いたままニヤニヤしてると、頭に強い衝撃を受けた。


「いったっ!!」
「「あ」」
「あーあ」


3人の声に顔を上げて振り返ると、私の大好きな大好きな大好きな二宮さんが!


「二宮さん!」
「………」
「二宮さん?」


黙ったままの二宮さんは何故か不機嫌そう。

あ、さっきの頭への衝撃は二宮さんに叩かれたのか!不機嫌で叩くって八つ当たり?…子供か!可愛いなもう!


「構ってほしいのは分かりましたけど、ちょっと加減してほしかったです…痛い」
「………」


あれ、いつもなら「誰が構ってほしいだ」っとか言われるはずなのに二宮さんはまだ無言のまま。

そのせいか公平くんも澄晴くんも新ちゃんも気まずそう。


「二宮さんどうしたんですか?」
「…とりあえず、おれから離れてくれません?」
「え?あ、ごめんね公平くん!」


ずっと抱き着いたままなのを忘れてたよ。
そりゃ公平くんも照れるよね!


すっと離れると、3人がほっと息を吐き出した。なになに、みんなどうしちゃったのさ。


「…随分と仲良くなったもんだな」
「そりゃ私の心の友たちですから!」
「名前まで呼び合って」
「あ!気付きました?出水くんは公平くんに昇格したんです!」
「………」


あれ、また黙っちゃった。
二宮さんずっと不機嫌だし、3人は気まずそうに黙ってるし………あ!もしかして!



「二宮さんヤキモチですか!」
「っ!」
「…え…?」


いつもなら……いつもなら……「寝言は寝て言え」とかツッコミが入るのに…この反応は…!



「え?え?本当にヤキモチですか二宮さん!」
「…うるさい」
「ねぇねぇねぇねぇ!二宮さん!」
「黙れ鬱陶しい」
「ヤキモチ?私が公平くんとイチャついてたからヤキモチですか!」
「てめぇ、いい加減黙んねぇと蜂の巣にするぞ」
「もう二宮さんったら可愛いですね!!」
「……アステロイド」




作戦6の結果
意図せずに大成功!これはもう完全に脈アリだね!


(マジで生身にアステロイド撃ち込まれたのに笑顔で避けるとか…)
(君ホントに人間?近界民じゃないの?)
(そっちのが納得出来ますね)
(失礼な!みんなと同じ普通の人間だよ!)
(ていうか結果…)
(だってヤキモチだよ!誰がなんと言おうとこれはもう完全に脈アリでしょ!)
(…否定出来ない…)
(二宮さんマジかー)
(ふっふっふー!よーし!次の作戦行こう!)
(まだやるんですね…)


→作戦7!

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