誕生日を祝ってみる〜計画編!〜



「ふっふっふっふー」
「え、なにキモい」
「ちょ、澄晴くんいきなり酷い!」
「いきなり変に笑い出したあんたが悪いですよ」
「公平くんよくぞ聞いてくれたね!」
「いや何も聞いてねぇし!」
「だけど残念ながら今回は公平くんの出番はないんだよ!」
「この人マジで面倒臭ぇな!」


そう!今回の作戦で重要な人物はただ1人!


「ついにこの時が来たよ!新ちゃん!」
「……俺……ですか…?」


新ちゃんをビシッと指差すと、新ちゃんはきょとんと見つめ返してきた。やだもう17歳可愛い!


「そうだよ新ちゃん!バシバシ鍛えるからね!」
「…えっと、すみません。話が見えないのですが…」
「え!まさか新ちゃん作戦5を忘れたわけじゃないよね!」
「作戦5って、一々覚えてるわけないじゃん」
「澄晴くんは覚えてなくてもしょうがないよね!」
「…なんか、すっごいムカつく言い方されたんだけど」
「犬飼先輩、この人たぶん悪気ないんで抑えて下さい…」


澄晴くんと公平くんが何か言ってるけど、今回重要なのは新ちゃんなんだってば!
新ちゃんは口元に手を当てて真剣に考えると、あ、と何かに気付いた。


「…もしかして、俺が初めて作戦に参加させられ……ごほんっ、参加したときですか?」
「そう!そうだよ新ちゃん!さすが出来る子!澄晴くんとは違うね!」
「…ごめん、やっぱちょっとあいつベイルアウトさせてくる」
「あの人いま生身ですから!人生からベイルアウトさせる気ですか!抑えて抑えて!」
「…えっと、確かあのときは…プレゼントしてみる…でしたよね」
「うん!」


あのときは匡貴さんの好みとか分からなかったけど、私は匡貴さんの好きなものの情報を手に入れたからね!
もう何あの人!可愛すぎる!!


「もうすぐ匡貴さんの誕生日だから、プレゼントしようと思ってね!」
「…もうすぐ?」
「まだ1ヶ月も先じゃん」
「もう1ヶ月しかないんだよ!プレゼント出来るようにしないといけないから、早くしないと!」


3人は首を傾げた。


「焼肉じゃないんすか?」
「みんなでそれも良いけど違う!」
「ジンジャエール?」
「ちーがーうー!全くもう!澄晴くん本当に分かってないね!」
「…君、今日俺に対して当たり強くない?」
「え?何が?」
「ははっ、無自覚が1番腹立つよね」
「犬飼先輩目が笑ってないから!」
「………才能のある人間、ですか?」


私と澄晴くんと公平くんで戯れていると、新ちゃんがぽつりと呟いた。

そしてそれは正解なんだよ!!


「そう!才能のある人間!なんかもう言い方が匡貴さんだよね!かっこいいよね!」
「は、はあ…」
「そういうことで新ちゃん!特訓だよ!」
「え?」
「新ちゃんはちゃんと才能あるからね!だから更に上を目指そう!尾行を匡貴さんに気付かれないくらいに上達しようか!」
「…………え?」
「そしたら私が匡貴さんに優秀な部下である新ちゃんをプレゼントする!うん!最高のプレゼントだよね!」
「あ、あの…先輩…」
「さあ!時間が惜しいし早速特訓だよ!」
「いや、先輩…あのとき二宮さんが言っていたのは…」
「待ってて下さいね!匡貴さーん!」
「……はぁ…」



新ちゃんの腕を掴んで引っ張っていく。
大人しくついてきてくれるし、新ちゃんも匡貴さんに喜んでもらいたいんだね!自慢の隊長だもんね!
大丈夫!私に任せといて!


匡貴さん誕生日まであと1カ月!
特訓開始!



(……あいつマジでバカだな)
(……本当に、バカですね)
(ていうか辻ちゃん元々二宮隊なのにプレゼントって何。何であいつが辻ちゃんをプレゼント?ほんと意味わかんないんだけど)
(おれもあの人のことは一生理解出来ない気がします)
(しなくていいよ。辻ちゃんも嫌なら嫌ってはっきり言えば良いのに。相手は女子じゃなくてあいつなんだから)
(最後諦めてついて行ってましたもんね)
(可哀想に)
(…そんなにやけた顔で言う言葉じゃないでしょ)
(だって今回俺たちは関係ないんだよ?関わらずに見れるなんて楽しいじゃん)
(…まあ、そうですけど…)
(なに?出水もしかして寂しいの?今まで構ってきてたあいつが辻ちゃんにいっちゃって?)
(はあ!?寂しいわけないじゃないすか!清々してますよ!)
(ふーん?まあ良いけどさ。さーて、あと1カ月、楽しませてもらおうかな)


→初級編

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