BがLな高山さん西野さん3
2021/10/22 20:10



BがLな高山さん西野さん2の続きです。

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別れさせるんだったら、まずは西野くんと高山くん、ヤンキー彼女の三人が遭遇しちゃうとかですかね。

デート中の高山くんと彼女が、日曜のお昼に偶然立ち寄った喫茶店、そこが西野くんのバイト先とかだったらいい。

「えっ!なぁくん!?なんでここに居るのっ?」

「バイト中やからっ...か、かずくんこそ...っ!」

バイト先に高山くん登場というまさかの神イベントに舞い上がるも、すぐに隣の女の子にも目が入っちゃうんだよね。
全てを察する西野くん。さっきまでの笑顔、一瞬で消滅します。

「そっかー!そうだったんだー!
お、俺は、ぁー、その、なんていうか、」

何故か西野くんにデートって言いたくない高山くん。
わかりやすく目が泳いで、心の中では“なんでよりによってなぁくんなんだ...!てか、なんで俺こんな焦ってんだ...?!”な高山くんは、激しくオーバーヒート起こすよね。

「...もしかして...かずくんの彼女、」

「はいっ、はじめまして!わたしぃー乃木女二年のぉー」

“スルーするのもありやけど、しょうがねぇからテメェの名前覚えてやるよ”な西野くん。
ぶりぶりしながら挨拶するヤンキー彼女を見ながら、
“きも、ブスが。今すぐかずくんから離れろや”な彼の目、既に殺人鬼です。もう殺る寸前。

「えっとぉ、かずやくんのお友達ですかぁ?」

「まぁ。そうですけど。」

「おなまえは...?」

「西野七瀬。」

「へぇ!七瀬くんって言うんだぁ!私もなーくんって呼んでも」

「ご勝手にどうぞ。で、注文は?」

可愛い甘い声で定評のある西野くん、完全苛立ちモードでめちゃ声低い。
汗ダラダラ流してる高山くんはそんな余裕全くないから、普段と違う西野くんの様子に気づくはずもなく。
しかも、様子が違うのは、西野くんだけじゃないみたいですよ。

「ねぇねぇ?なーくんのオススメは?」

「......これですけど。」

「ふふ!じゃー私これにしちゃおうかな?」

「......かしこまりました」

おっと雲行きが怪しい。
普段高山くんと居る時には出さないような媚びた声を出す彼女。
しかもオーダーを取り終わって離れていく西野くんの背中を、色のある目で追ってます。
高山くんはそれに気づかず、“別の場所にしたらよかった...っ”、なんて首を垂れて、食事中も喉通らないんですよね。


次の日、教室にて騒ぐ白石くんと松村くん、その他クラスメイト。

「かずやー!昨日デートしてただろー?」

「可愛い彼女と手繋いで歩いてるとこ見たぞ!」

「お、まじか!?どんな子だった?!」

「ちょっ、やめろよーっ、恥ずいって、」

「かずや顔赤いぞー!」

弄られまくる高山くん。恥ずかしいというか、西野くんに聞かれたくないというか、そんな複雑な気持ち。
そこからちょっと離れた席で騒ぐ男子をぼーっと眺める西野くん。

“手、繋いでたんや”
“すごい仲良さそうやったもんな”
“.....そもそも、なななんか恋愛対象外やん”
“ああもう...なに、悩んでるんやろ”

溢れそうな何かを必死に堪えながら、ため息吐いて突っ伏する西野くんに、残酷にも話題は飛び火してくるはず。

「西野は見たことあるかー?!」

「...ん、あるで」

「なんだよ!あんのか!先言えよなーっ、で!どんな子だった?!」

上唇ぎゅっと噛んで、黙っちゃう。
色々考えて出てきた答えはベストなものなのに、高山くんが傷ついちゃうような答え。

「....すごい、可愛い子やったで。気さくで、おしゃれな感じ」

「うわー、良いよなぁーかずやはー、てか話したことあんのかよっ!」

「少しだけな。」

“良かった、言えた...”な西野くん、切なげに微笑んで、それ見た高山くんは絶対勘違いするよね。
“なぁくんだって、女の子に興味が無いわけじゃ、ないんだよな...”なんて拳を悔しそうに握って。


そんな二人のすれ違い。
高山さんと西野さんは、ぼーいずになってもすれ違いまくっちゃうんでしょうね...。

お願い、金払うから。
誰かこれ、ドラマ化して?






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