▽SAO×黒バス2
練習試合があればアス姉やカズ兄、それにユイが時間さえあれば見に来てくれる。それだけでももちろんやる気はうんと上がるんだけど、やっぱり恋人であるけーちゃんが来てくれるとすごく嬉しいわけで…。
けーちゃんことシリカこと、綾野佳子ちゃんはSAO時代からお付き合いしてる、所謂恋人で。でも2歳差ってこともあるし、高校からは学校自体別になったからほとんどと言っていいほど時間が合わない。SAOサバイバーが集まる学校と一般の学校のカリキュラムが違うことくらいわかってたし、部活も始めればもっと会えなくなることくらいわかってたけど!それでも、一ヶ月も会えないのは寂しい。最近は俺がログインしてもけーちゃんがインしてなかったり、またその反対だったりとすれ違ってばっかりだ。
「みゃーじさぁん、恋人成分が足りねーっす〜…」
「うるせぇ、リア充は黙ってろ!つーか試合前だぞ!」
「高尾の彼女って前見せてくれた子か?学校違うと会えねーよなー」
「めちゃくちゃ可愛いーんすよぉ。年上見に見えないくらいちっちゃくてぇ」
「…高尾に小さいと言われるのか」
「俺は平均!先輩たちや真ちゃんが大きすぎるんすよ!!四人なんてけーちゃんからしたら巨人っすよ、巨人!」
初めて出会ったのは俺が10歳、けーちゃんが12歳の時だった。その頃は俺もけーちゃんとそう変わらない身長だったけど、2年経って少しだけけーちゃんより大きくなった。中学卒業前にはけーちゃんどころかカズ兄も抜かすんじゃないかって勢いで身長が伸びて、カズ兄に縮めと言われたのはいい思い出。っと、話が逸れた。出会ってからもう5年も経つけどけーちゃんは全くと言っていいほど変わらず可愛い。17歳だけどツインテール似合うし、妹ですって往ったほうが似合うくらい小さいし。
でも見た目の変化はなくても日々けーちゃんは細胞レベルの変化はある訳で。それを見れないのが寂しい。うん、何度も言うけど寂しい。だって俺末っ子だもん、寂しがりやでなにが悪い。最年少だからって甘やかすみんなが悪いんだ。
***
練習試合は午前午後と2回行われる。アス姉がお弁当は間に合わないからお昼の休憩に持っていくね、と言ってくれてたから汗だけ拭いて体育館に戻る。ミーティング兼昼食だから早めに戻らないと。
どこにいるか探すと、目の前にはずっと待っていた恋人の姿が。
「あ、和さん!」
「けーちゃん!?なんで、今日課題が残っててこれないって…!」
「えへへ、サプライズ成功ですね。和さんに会いたくて、課題頑張ったんですよ。あと、これ…明日菜さんに教えてもらって作ったんで見た目はちょっとアレですけど味は保証します!!」
ずいっと出されたのは1人分のサンドイッチが入ったバケット。手を見ればたくさん絆創膏が貼ってあって、けーちゃんが頑張って作ってくれたものだと分かる。そうだよ、アス姉がお弁当作るの間に合わないわけがないじゃん。俺が出てから驚かすために2人で頑張ってくれたんだ。
「和さん、試合すごく格好良かったです!ALOのカズさんも凄く格好いいですけど、リアルの和さんも格好良すぎて…私惚れ直しちゃいました」
「け、けーちゃんにそんなこと言われたら…俺張り切っちゃうよ?午後はけーちゃんの作ってくれたご飯食べて、もっと、もーっと活躍するね!」
「はい、応援してます!」
お弁当ごとけーちゃんを抱きしめて、くるくる回る。きゃぁ、と可愛らしい声を上げるけーちゃんが愛おしすぎて仕方がない。
けーちゃんを下ろして、お弁当を受け取る。意外に不器用さんなけーちゃんの傷だらけの手をとって、軽く口づけを。
「見てて、けーのために勝ってくる」
「はいっ!和さんなら絶対勝てるって信じてますから」
もっとずっとぎゅーって抱きしめていたいけど、高尾、と監督の声がしたから行かなくちゃ。本当は唇にしたいけど可愛いけーちゃんを他の人に見られたくないからほっぺに軽くキスをする。それだけで真っ赤になるけーちゃん可愛すぎ!
「じゃ、またあとでね!」
このあとの試合でメチャクチャが活躍したのは言うまでもないよね!でも先輩方にいちゃいちゃすんなって怒られちった!
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