Novel | ナノ

桜歌 Celebrate Kirsche1


TIGER&BUNNY
【桜歌 Celebrate】Celebrate the new life that we see.
CHARTREUSE.M
The work in the 2018 fiscal year.

Kirsche1

「例の詐欺師、まだ見つかってないようだよ」
 ロイズがそう神妙な顔をして立つ二人を前に溜息を吐きながら言った。
「最近多いね、多すぎる。何かアポロンメディアでも対策を立ててくれと警察からも言われたよ」
 ハンチング帽を胸に当ててなんだか困ったように立っていた虎徹がちらりとバーナビーの顔を伺うが、バーナビーの顔は表情一つ変わっていなかった。
仕方がないので虎徹が場を持たせるかのように「でも先々週あたりの詐欺師は捕まったんでしょう?」と言う。
「先々週の詐欺師はね。彼はNEXTだったらしいから? 司法局の方も協力してくれましたけど今度の詐欺師はどうやら素らしいんですよ。素、素の状態でね、相当似てるらしいですよ」
「そりゃあ魂消た。バニーの! バニーにそっくりならそりゃあモテるでしょうね。態々バニーを出汁にして詐欺なんかしなくてもいいだろうに。大体そんなのNEXTでないならすぐにばれ……」
バーナビーが目だけ動かしてじろりと睨んできたので虎徹は慌てて前を向く。
「意外に判らないものでしょう。非常時でもないのにNEXTを発動させるなんて本物なら余計にないでしょうからね。騙されるみたいですよ、ころっと」
「ころっと」
 つい復唱してしまい、更にバーナビーに睨まれて口を噤む。バーナビーは深い深いため息をついた。
 先月からこっち、バーナビーに扮する結婚詐欺が横行していた。
どこかの詐欺連盟にでも登録されちゃった案件なんじゃないのかと虎徹が茶化していたが、本当にそうなのかも知れないと最近バーナビーは思い始めていた。
 事の発端は先月に遡る。
虎徹とバーナビーには最初にバディを組んで暫く後から関係があったのだが、肉体だけが先行した間柄であって二人の間にはなんの約束もなかった。バーナビーは虎徹のことをとても大切に思っていたが、虎徹が自分に恋愛感情を持つことはないだろうという奇妙な確信があってどうしてもそれ以上踏み込めなかったのだ。
そうこうするうちに一度目の引退。非常にドタバタした状態での引退劇から間髪入れずに一年間のブランクが出来てしまったせいで今更「実は貴方の事が前から好きでした。恋愛的な意味で」なんて言うことが出来ず、なし崩しに有耶無耶。その後タイガー&バーナビーは復帰したものの、怒涛の体制変換からの会社の方針で虎徹だけが再び引退させられる羽目になってしまった。そこでもやはりバーナビーは本心を虎徹に伝えられないまま、売り言葉に買い言葉で素直になれないどころか互いに互いを遠ざけてしまうという痛恨の失態を犯してしまう。しかしマーク・シュナイダーが失脚したことにより、タイガー&バーナビーは再々結成するに至った。その時バーナビーはやっと思ったのだった。
 一度も確かめようと思わなかった。彼がどう思っているのか。自分が思うように彼もまた自分を思ってくれている可能性は本当に一つもないのだろうか。それでもいい、それでもかまわない。そうだ、一度も告白しないまま終わるより、告白して振られたほうがどれほどましなことか。そうだそうしよう、例え結果が敗北であれ告白してみよう。それで駄目なら諦められるかもしれない。少なくとも後悔しないだけましな筈だと。
果たして、虎徹はバーナビーの予想を裏切って、その告白に「いいよ」という非常に軽い口調の三文字で了承してきた。
 告白した筈のバーナビーの方が意外過ぎて返答を五度ばかり聞き返したくらいだ。
虎徹はもう一体なんて答えればいいんだよとぶつくさ文句を言っていたが、最後には観念したのか「俺も好きだよ!」と投げやりな七文字で関係の進展を伝えてきたのだった。
 その日はもう余りに嬉しくてよく覚えていない。
ただその次の日起きたら虎徹が横でぐったりしており「ちょっと、お付き合いについて考え直していいか?」と言って来たから「男に二言はないんでしょ!」と速攻却下した。
 世界が変わって見えると思えるのはこの時が人生二度目。しかし最初の時は景色が明るく輝いた程度だったが、二度目はバラ色に煌めきすぎになっていた。
そのせいか判らないが、バーナビーは失敗したのだ。
 バーナビーだけが出演したトーク番組での恒例の質問。
「バーナビーさん、現在お付き合いされている方はいらっしゃらないとのことですが、気になる方、ならどうでしょうか? 少しはバーナビーさんがお心をお留になる方、いらっしゃいませんか?」
 普段なら自分の恋人はシュテルンビルト市民の皆さんですとか、勿論市民の皆さんですと苦も無く返せただろうが運悪くその日は虎徹と初めて恋人同士として迎えた日でもあったわけで。バラ色に煌めいちゃってから二時間あまりしか経過してなかったせいかつい、バーナビーは口を滑らせてしまったのだ。「ええ、そうですね、とても! 幸せです」と。
 一瞬で我に返ったが遅かった。
慌てて訂正したがその訂正の仕方もまずかった。
「あっ、ちがっ……ああもう! と、えと……、えー、気になってる人はいて、そのですね。でも気になってましたけど、進展させようなんて最初から望んでなくて。その見てるだけでいい、といいますか――」
インタビュアーは勿論、お茶の間でトーク番組を見ていたシュテルンビルト市民、特に結婚適齢期のお嬢様方が色めき立った。
「見ているだけで?! あの、彼女はバーナビーさんだってご存じないということでしょうか」
「えっ、あの、えーと、うーん…… 見てるだけでも十分幸せだった――じゃなくて幸せですのでいいんですそれで」
 どう誤魔化そうかと悩んだ様子を見せたのもまずかった。
そういえばバーナビーはアカデミー時代もそんな風に遠くから心を寄せるだけで終わったと以前インタビューで答えていた、公式回答でもあった筈だとインタビュアーも俄然穿り返す気満々になってきた。
「一般市民の方? こう言ってはなんですが、それはバーナビーさんの片思いということなんでしょうか?」
「えー、まあそ、そうですね。あのでも市民の方を恋愛対象には――その、ご迷惑でしょうので」
「まあまあまあ! そんなご配慮を。でもまた遠くから眺めてらっしゃるだけなんですか! そんな駄目です! もっと恋には積極的になられるべきですわ! そんな方がいらっしゃるなら是非とも!」
 なんか勝手に話が作られていくなとバーナビーは思ったが、虎徹の了承もなくメディアに自分たちの関係を発表するのは憚られたし、明らかにメリットがなにもない。その番組自体は直ぐに時間になったので終わったが、バーナビーの返答についての議論はネット上に持ち越されて大変な騒ぎになってしまった。
伝言ゲームのノリである。バーナビーの意中の女性は一般市民であり、相手はバーナビーが自分を好いてることも知らないらしい。HERO TVの局員なのではないかというのはまだ序の口で、バーナビーが良く行く店のウェイトレスに違いない、二部の時は通勤にモノレールを使っていたらしいからその時の乗客の事ではないかとか、はたまたたまにワイルドタイガーと連れ立って歩いているのが良く目撃されているセントラルパーク付近の住人か、アポロンメディアの近くにあるショッピングモールのどこぞかの店の従業員じゃなかろうかとかあらゆる憶測が乱れ飛んだ。三日経たないうちににはシュテルンビルト全域で噂が席巻。もはや適齢期の女性なら全てがその相手に当てはまるんじゃなかろうかという有様になっており、さすがにこの噂を知った目下市民が興味津々なバーナビーの意中の人である当人虎徹に「へーえ」と嫌味を言われた。
 そこまでだったらバーナビーもまだ溜息を吐くぐらいで済んだのだが、問題は別の方向に発展した。
元々一部のヒーローたちには良くその手の詐欺師が現れていた。
ブルーローズがその中でも最多で、彼女のマネージャーであると言う芸能スカウトがしばしば現れて問題になっている。
それを信じた女子高生や女子中学生がなけなしのお小遣いを巻き上げられる程度ならまだましな方で、大きな事件では家族ぐるみで騙された事例もあった。ファイヤーエンブレムはこの手の詐欺とは一線を画していたが、ヘリオスエナジーのオーナーであるため企業詐欺の件には事欠かない上に規模が大きい。どうしてもヒーローとして出動している間はそちらに掛かり切りになってしまうのが問題で、代理人を名乗るトレーダーがその隙に現れて好き勝手やらかす事が幾度かあり、彼女のネームバリューを利用して一財産築く者まで現れる始末だ。そしてバーナビーのシュテルンビルトでのネームバリューも大したもので、ファイヤーエンブレムとブルーローズを足して二で割ったような詐欺がもともと横行しており警察が手を焼いていたのだ。その詐欺に新しい項目がこの度加わってしまった。そう、結婚詐欺である。
「どうにかしろっていいますけど、どうすればいいですかね」
 ロイズもバーナビーに負けず劣らず深いため息を吐いた。けれどそれはかなり呆れてる風情でもあった。
「あれですかね、やんわり否定する。否定しつつ、その後ブルーローズとの合同コンサート等の企画でも発表して違う話題を提供すれば多少は」
「嫌です」
「嫌ですって君ね」
「嫌です。だったらいっその事僕は虎徹さんとの事を市民に発表したい。それで収まる筈だ」
「やめてくれ」
 虎徹が慌てて遮った。
「どうしてダメなんです!」
 バーナビーがロイズの机にばんと両手を突いて叫ぶように言ったが、ロイズと虎徹の「駄目に決まってるでしょ!」というセリフがハモって全否定。バーナビーは頬を膨らませた。
「なんで駄目なんですか!」
「当たり前でしょ、ああーもう、虎徹君もそういう大切な事はちゃんと会社に報告して下さいよ。ホントに困りますから」
「いやでもですね、そうなったのって先月のことなんスよ。それまで俺らそういう関係じゃなかったんですって」
「じゃあどういう関係だったんですか。あなた方がどういう関係だろうが構わないですが、聞けば結婚の約束までしたというじゃありませんか。そういうのは本当に」
「けけけけけけ、結婚?! 俺らそんな約束したっけ?!」
慌てて自分を振り返る虎徹に「僕は言いましたけど、貴方は聞いてなかったかも知れませんね」とバーナビーはしれっと返した。
実際虎徹がその時気絶していたのを知っていたのでそれ以上は言わないでおく。
「俺覚えてないんすけど……、そんな約束したかなあ?」
「あー、あとあと、そういうのはね家でやって。君たち意思の統一をしてきてくれないかね? 話が進まないから」
「でも僕は虎徹さんとゆくゆくは結婚したいと思ってます。勿論正式な結婚は引退した後になるでしょうが、籍だけでも入れたいと思ってます」
「いやいやいやいや」と虎徹。
「それさあ、俺にも相談してよ。俺の事でもあるんだからさ。なんでお付き合いOKしたらそこまで話が飛躍しちゃうのよバニーちゃんは……」
 やっぱ俺絶対聞いてないよ、覚えてないんじゃなくて、聞いた覚えそのものがねえもん。お前俺に嘘ついてね?
「虎徹さんは僕と結婚するのがお嫌ですか?」
「だからーそういう話じゃないってぇ」
「そういうのは家でやって」
 ロイズがぴしゃり。
それから再び重いため息を吐いてからこう言った。
「バーナビー君のファンって大半が若い女性なの。女性層のファンが厚いのがね、それがわが社には必要なの。判る?」
 虎徹がうんうんと頷く。
「そしてね、虎徹君は中年以上の男性にファンが多いわけ。タイガー&バーナビーで子供たちにも人気があるわけで、今とてもバランスがいい状態なんですよ。これがね、バーナビー君と虎徹君がその、恋人同士? なんてことがね今出たら明らかに女性のファンは君から離れますよ。ライアン君もいなくなって、新しいCEOも決まってない現在のアポロンメディアにはもう君たち以外イメージアップに貢献できる人がいないのよ。企業ヒーローってそういうもんでしょ? 契約内容にもちゃんとありますからね。折角タイガー&バーナビーの人気でねスポンサーも増えてわが社のイメージもアップしてきたのにこんなに早くダメにするわけには行かないでしょう? 判ります?」
「それは……、そうなんですけど、でも……」
「確かに結婚詐欺はなくなるでしょうよ。でもそれと引き換えにするには余りにもリスクが大きすぎる。それがわが社の判断なんですよ。虎徹君の方は判ってるみたいですけどね、珍しく」
「珍しくはないでしょう、ロイズさん。俺にだって判りますよそんぐらい、だって、この騒動だってバニーの人気があるからこそ、でしょう。シュテルンビルトの王子様ですからね、なんたって」
「虎徹さん――」
 は、それでいいんですか? という言葉をバーナビーは飲み込む。
いいに決まってるんだ。いいに決まってる。そうだ、虎徹さんは僕が好きと思うほど僕を好きではないんだろう。
それに僕だってそのぐらいは判ってる。判ってるんだけれど――。
「まあなんにしても、ブルーローズとの企画? タイタンインダストリーに打診してみるよ。向こうがバーナビー君とではなく、タイガー&バーナビーとの企画として提案してくることも考えられるんで、一応虎徹君もスタンバイしておいて」
「了解です」
 バーナビー君、返事は?
そう聞かれてバーナビーは渋々と頷いた。



「機嫌直せよ」
 そういいながらぱくついていたハンバーガーから口を離し、ソースがべったりとついた親指を舐める。
最近人気のフレッシュチーズバーガーだ。
 ブルーチーズをメインに新鮮なレタスと厚切りトマトと半熟目玉焼き。一番上には特製ソースを絡めたアボカド。ふんわりと焼きあがった特性バンズに豪快にそれらを全部挟み込み、メインにはどーんとジューシーな肉厚のパテ。付け合わせはフライドポテトとフライドオニオンだ。
濃厚な味に虜になる人が続出、このハンバーガーショップはいつでも大盛況で天気が良ければ歩行者天国路上に広く区切られた食事用のブース席が設けられる。幸いいい天気だったので社員食堂ではなく外での食事を選んだ。
 バーナビーは割と虎徹が食事をするところを見るのが好きだった。
とても美味しそうに食べるというのもあるのだが、虎徹の食事風景は時折バーナビーに他の感覚を催させる。例えば今も豪快に半分噛みちぎる勢いで食べているその口の中に消えていくトマトの赤が奇妙にエロティックに感じられていた。食事をするという行為はどことなくセックスと通じるところがあるよなあとバーナビーなぞは思う節があるのだが、下手に意識させてしまうと虎徹は一気に身を翻してその気配を消してしまう。
 野生動物のようなミステリアスさというか観察しにくさがあったので最近はあまり指摘しないようにしていた。
後は、虎徹以外の人間から良く諫められていたというのも。
 ネイサン以下ヒーローの女子組曰く、バーナビーは虎徹を変に凝視しすぎなのだそうだ。
ライアンにも「お前タイガーを見すぎじゃね?」と意味深に問われて困った覚えがある。そんなことを思い返していたら食事をする手が止まっていたのだろう。虎徹に「ちゃんと食えよ、ここんとこお前食事もちゃんととってないだろ」と心配される。
慌てて別に詐欺事件の事で食欲がない訳ではないと言ったのだが、「じゃあなに?」と逆に問われて返答に詰まった。
 まさか虎徹さんの食事風景に見とれてたなんて言えないではないか。
「詐欺事件関係なくはないですね……。僕はその、公にしたいです。それで犠牲になる女性が居なくなるのなら」
「アポロンメディアにはヒーロー、バーナビー・ブルックスJrが必要なんだよ。正確にはシュテルンビルトの王子様が」
「別に進んでそんなものになった訳ではありません。なりたいと思ったことすらないです」
「うーん」
 虎徹はハンバーガーを齧る手を休めて困ったように頬を左手の人差し指で掻いた。
「それ、判る」
「えっ」
「それは判る。市民の安全を第一に考えるってとこ。それは凄く良く判るけど、お前は駄目だよ。それに今俺らの? そのなんだな、――を発表したとするじゃん。でもさ多分半分ぐらいはジョークに受け取られてまともに聞かない層がいるよ絶対。お前がリスク背負ってアポロンに打撃与えて、被害者減らないって状態も考えた方がいい。それにお前の為にもやっぱ駄目だよそれは」
「そんな……」
「まあ、信じないよな。信じたくないだろうし。俺だってまだ信じられてないもん」
「?!」
 バーナビーが顔を上げると虎徹は照れたように笑って、真っすぐバーナビーを見てこういった。
「好きだよ」
 不意打ちで動きが止まった。
そんな呆けたようなバーナビーに虎徹は笑顔で続けるのだ。
「お前全然信じてないだろうけど俺も好きだったよ、ずっと前から。俺もおんなじ気持ちだったから了承したんだ。そんでもお前は信じないだろうけどさ、まあ追々信じてみてよ。そのうちでいいから、別に急がなくていいからさ」
「虎徹さん……」
 いいから食べな、ほら。
そう言いながら手を伸ばしてくる。どうするのかとドギマギしていたら、頬を親指で擦られた。
「ケチャップついてたぞ!」
 あ。
そういってそのままその指を口の中に。
バーナビーは困ったように笑った。
虎徹さんってホント、こういうところ無自覚だから。そしてこれがまた自然だから、誰も大抵気づかないし気に留めない。でも。
「そういうの、外じゃあまずいんじゃないですか?」
「俺に? バニーに? 大丈夫だよこんなの誰も気にしない」
「ふふ、ホントに困った人だなあ」
 虎徹はホントに気にしてないようだが、周りにいるシュテルンビルト市民は皆結構見てるし気づいてると思う。
ただこれが最初からの全然変わらぬやり取りだから、このバディはいつもこんなで微笑ましいなぐらいしか思われてないだけか、はたまた気づいていても皆黙ってくれているだけなんだろう。自分がそうだから判るのだが、虎徹さんというかワイルドタイガーは見てて飽きないっていうより、ずっと見ていたい、観察していたい人なのだ。なんだかとても幸せな気分になるから。
今は自分の意中の人が誰なのかも含めて好奇の目で観察されているだろうけれど、半分ぐらいは「あれ? バーナビーってタイガーが好きなんじゃないの?」「どうせ好きな相手ってタイガーの事なんだろ。タイガーが了承するかどうかっていうとまた別の話で」なんて興味津々伺っているだけの気がする。大体ここら辺の市民の本音はBch(ビルトチャンネル)で嫌というほど読んだものだ。結構バレるもんなんだなあと僕なんか感心したもんだけど。
 しかしロイズも虎徹さんもホントに気づかないものなのだろうか。
ベンさんは割と気づいてると思うんだけど、そこらへんが謎だな、とバーナビーは思った。



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