文|log 寒いときににわか雨降ると悲惨(文留) ※肝心の部分まで進んでいないまま没になった話 「寒いっ」 家の鍵をあけるやいなや、留三郎はそう叫んで玄関へ飛び込んだ。 これは俺の家だ、と悪態をつく元気もなく、俺も素早く家に入って鍵を閉める。 真っ暗な部屋に電気をつける。外とあまり変わらないのではないかと思うほど、部屋の中も寒かった。 勝手に洗面所からタオルを引き出して体を拭いていた留三郎は、この家の唯一の暖房器具である炬燵に飛び込んで、体をすっぽりと収めていた。 「あー…暖けぇ」 俺はタンスから二枚ジャージを引っ張り出して、着替えだした。もう一つはあいつに投げ渡す。 「そのままじゃ風邪をひくぞ。早く着替えろ」 のそりと這い出て奴はそれを着ると、さっと炬燵にもぐりこむ。頭だけがはみ出す様は、かなり滑稽だ。 俺もさっさと着替えて、上にセーターとフリースを羽織る。それでもまだ寒いこの部屋の温度は外よりまだマシな程度である。炬燵に足を突っ込むと、外気との温度差が滲みた。 「狭えよ」 「ここは俺んちだ!なら手前が出やがれ」 ××× 続きの方向性が行方不明でした。 本当は炬燵の中で足蹴りあう二人が書きたかったんですが、そこまでいかずに季節が過ぎ去った…。 |