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堕落の予感(丕趙)

※長編まとめに書いた丕趙悪魔パロの書きかけ。






「ん…っふ、あ」
 
 じん、と頭の芯が痺れた様な感覚。
 くちゅりと鳴る音に、はっと我に返る。

「っな、なにをする!」

 思い切り突き飛ばし、距離を開ける。

 いま自分は何をしていた?

 顔が燃えるように熱い。無意識のうちに、唇に手をやってしまう。
 そんな趙雲の様子に、曹丕はすっと目を細めると、満足そうににやっと口の端を上げた。
 その視線の先に目を遣る。

「!なっ…」

 紫色の刻印が、手のひらから右肘にかけて怪しい文様を描いている。
 明らかに先刻よりも増えていた。すっと背筋が寒くなる。
 思わず趙雲は曹丕に詰め寄った。

「どういうことだ…っ」
 
 曹丕はいたって平静だった。ふっと、隠し切れない笑みを残しながら、憤る趙雲を見つめる。

「何を言う。お前がしたことだろう?」

 そっと唇をなぞられて、また顔が火照った。ごまかすようにその手を跳ね除けて、きっと睨み付ける。
 
「私は嬉しいがな。お前が離れがたいと感じているということが。」
 

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