星 の 戯 れ
`I love you' that I could`nt say.
ちょっとだけ
黒のキャンバスに散りばめられた無数の光。
今夜は星がとっても綺麗だ。
「あ、」
とっくに消灯時間を過ぎた真夜中は、空気が澄んでいて静か。
こうして夜空を眺めるのが日課になってから、どれくらい経っただろう。
そして彼を見つけたのは、一体いつのことだっただろう。
陽の寮の三階にいるわたし、裏庭を通る白い制服の彼。
いつものように不躾な視線を受けて、それに応えるようにひらひら手を振るとふい、と行ってしまう。
名前も知らない彼。暗闇でハッキリ見えない姿。
ただあの白い制服が、彼が別世界の人であるとわたしに教えてくれる。
毎夜、眠らずにこうやって星を眺めているわたしを、彼はどんな風に思っているのだろう。
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