Chapter 4




 ファウストゥス暦423年、マイウスの月の第一日。ウィリアム・アリンガム、連邦会議を主催。新興階級ならびに西部都市同盟を主体とする同会議は、選帝侯会議ならびに帝国国教会の後押しを受け、連邦憲章を発布。主権の移行を成文として明言。連邦制の確立を謳い、異民族自治領の独立を容認するに至り、帝国は解体を約束される。尚、この憲章の起草者はトーマス・ワーディングであるとされているが、実際には複数人の手による編纂であり、また、起草時においてワーディングは存命していなかった。起草者としては――大枠を構築したという、理論家のクロード・シャールをはじめ――当時の混乱を乗り越えて残存した史料により数名が判明しているが、その全体は把握されていない。
 市民軍による皇城の陥落、皇帝の処刑。城塞都市を焼き尽くし、帝政の崩壊を決定づけたこの出来事は、ティエル革命という名をもって大陸史に刻まれることとなる。

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