◎
終焉
弟は、自分の手の中でぐったりとした兄の身体を抱きしめる。
「――兄さん」
一度、突き放し、それはそれは大事そうに、顔を両手で包んだ。兄の瞼を片手で両方開ける。しっかりとした瞳がそこに居座っており……光なき、がらんどうが弟を見た。弟はそれはそれは嬉しそうに呟いた。
「やっと……僕しか見なくなったね…兄さん……」
END
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