短編 | ナノ

 03

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――……次は第七レース……一番レーン・サイトウノ……三番レーン・ススギノ……五番レーン・エリザベスクイーン……



飽きた。



正直、三レースほど見て飽きた。



馬が走る様子は確かに綺麗だか、何度も見ると見慣れてそうでもないな、と思えてくる。


馬券は買ったが(記念に最終レースの千円分)賭け事をしに来たわけでもないので、どの馬が負けても勝っても、落ち込んだり喜んだりも出来ない。


「よっしゃ! いけー! エリザベスクイーン!!」


隣の彼は、散々な結果に終わっているが楽しんでいるようだ。


そんな彼を見て、思うことがあった。


「……ちょっとトイレに行ってくる」
「あぁ……って負けたぁぁああ!! そんな……エリィィィイイイ―――――!!」


目の前でお金を刷った彼を見て苦笑。私は、そっと席を立った。




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