◎ 05
「あ…………ぁ……ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!」
わたしは、絶叫した。その場に崩れさる。どうして、なんで。こんなことに。
アネクドートに助けを求めようとした。だが、アネクドートはただ笑っているだけだ。
「どうっ、どうし……っ!」
舌がもつれて上手く喋れない。アネクドートは、首を振る。
「どうして、なんて。貴女が望んだことでしょうに。命を取らないだけ、マシでしょうに」
穏やかに言うアネクドートが憎い。あの幼いころから夢見てきたちっぽけでも大切な願いが無ければ、わたしはどうすればいいの? どう生きていけば良いの!?
「ねえ!!」
「さぁ? 自由に生きればいいと思いますよ」
自由に? 自由にってどうやって。どうやって生きてきたんだっけ。どうやって仕事をしてたんだっけ。どうやってどうやってどうやってどうやってどうやってどうやってどうやってどうやってどうやってどうやってどうやってどうやってどうやってどうやってどうやってどうやってどうやって……。
ぶつぶつ呟くわたし。いつの間にかアネクドートは、いなくなっていた。
そして、わたしは三日後に、罪の意識に堪えられなくなって自殺することになる……。
「さようなら。愚かな人」
***END***
咲嘩(さくくわ)……盗人・詐欺師の異名。
アネクドート、anecdote,……日本語訳で奇談/逸話。
2011/12/08 騎亜羅
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