04


「――まさか、変態が酒に弱いとは知らなかった」
「普段あまり飲まないからなあ……この国の酒は度数が高いしな」
「それでもたった二杯で倒れるとは……ついでに、リンもぶっ倒れるとは思わなかった」


二人で酒を煽りながら苦笑する。


――早速、共に夕食を食べ、アヤメ女王の差し入れで最果ての国の名品と名高い酒を開け四人で乾杯をした。直後……妻が一気飲みをし「美味い!もっと!」とねだり、二杯飲みほしたところでぶっ倒れた。そのあと、カズマの奥方が興味本位で一口飲み倒れた。


まさか話す暇も無く二人とも倒れてしまうとは、驚いた。二人は仲良くソファで寝ている。


「しかし、美女二人を酒の肴にするのも良いと思うぞ」
「美女二人?一人は変態だろ。それと、俺の物を見るな。減る」
「相変わらずの俺様っぷりだな。カヤも付き合うとなかなか可愛いぞ」
「お前の物好きも相変わらずだ。リンの方が恥じらいがあって可愛い」


お互いほろ酔い気分で、実のならない会話をする。お互い傭兵時代よりも、くだけた感じがするのは、愛おしい存在が出来たせいだろうか。俺は、結婚してもそんなに変わりはしないが、カズマは殺伐としたあの頃よりも幾分も目元が柔らかい。


「……用を足してくる」
「ああ、足元気を付けろよ」


カズマも酒には強いはずだが、足元がふらついている。はて。この国の酒はそんなに度数が高かっただろうか?


首を捻りながら、立ち上がりカヤと奥方に毛布を掛け直す。


「ん……か、ずま…さ……?」


物音で奥方を起こしてしまったようだ。


「すまない、起こしてしまっ…うわっ」


俺はソファ近くで何かを踏んづけ、ソファで寝ている奥方の上に覆いかぶさってしまう。


「す、すまな……」
「かずまさま……きす、するんですか?」
「えっ!」


慌てて退こうとしたところを、きゅっと服の袖を握られ、ドキッとし固まる。目をさ迷わせると、床に紙が落ちているのが目に入った。



『お酒に新開発の薬入れておいたから、感想聞かせなさいよ。リンちゃんとかどんな風だったとか特に!
※幻覚系の薬。酔いやすくなる。効き目は個人差アリ。心底の自分が出る。
――byアヤメ』



女王――――!!!!?



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