脳内ぱんでみっく

なんとなく猟奇的?です。ご注意ください



ぐちゃり、なんて音を立てて崩れる赤い赤い肉片。血の匂いは随分前から躯にこびりちいてるから今更だ。そう、今更なんだ。立ち込める硝煙と砂埃も、固いようで容易く引ける引き金も、柔らかい肉を切る感触も、雨みたいに降り注ぐ生温い血も何もかも。全ては仕事。生き抜くには何かしら働き、金を稼がねばならない。仕方がないとは言え、選んだのは己だ。選択肢が限りなく少なかったが、結局選んだのはこの仕事。人殺し。別に、血を見て興奮するとか、人殺しが愉しくてたまらないとか、婦女子の断末魔を聞きたいとか、カニバリズムだとか、そんなんじゃない。家業だったから。産まれた時から決まっていた、この家業を継ぐことが。幼い頃から叩き込まれた殺しのやり方。カンタンにもザンニンにも一瞬にも半永久的にも様々な殺り方を教わった。それこそ、文字を読むのと同じ位に。あの頃、殺しは日常生活に必ずあるモノだと思っていた。それがオカシイと感じたのはいつだったか。否、いつでもいいのだけれど。オカシイと分かっていたって、結局、それに縋って生き延びているんだから。ため息も出やしない。ましてや後悔、なんてモノを感じた日には二度と地に足をつけれないだろう。罪悪感、なんか必要ない。分かってる。分かっている、のになぁ

おかしいなぁ
何が

口にしたつもりのない呟きに間髪入れずに疑問を付けられた。あれれ、声に出しちゃったかな、出したとしてもかなり消音のハズなのになぁ、聞き流してくれていいのに。うるせーさっさと主語を言え、主語を。ツリ目に睨まれて肩をすくめる。あぁ、怖い。えぇと、なんだっけ、あぁそうそう。おかしいなぁと思ったんだ。何も感じないハズの神経が、何かをも想わないように造られた思考が、やたらと心臓に訴えるんだ。何を訴えてるんだろう、自分のことなのにサッパリ分からない。まぁすぐに忘れるだろうからなんだっていいんだけど。そう考えるとこの脳みそってすごく使い勝手が良いな。殺しの対象は殺した瞬間、消えるんだから。おかげで実感なくてたまにビビるけど。だって気付いたら血溜まりにひとりぽつん、だよ?怖いって。後始末やらなんやらはやらなくていいからマシだけど。この引き金を引いたらまた忘れるんだろうね、そしたらこのワケ分かんない衝動もまた消えるんだ。それなら早い方がいいよね。そろそろツライよね?目も霞んで寒いんだか暑いんだかって感じ?でも耳はクリアでしょ?そういう風にやったから。だけどそれだけ血を流して立ってれば天晴れだよ。それに楽しかった。久々に長く話した気がするし、一方的だけどね。さて、時間だ。何か言い残すことは?せっかくだから聞いてあげる、って思ったけど、どうせ忘れるんだよね、すぐに。だから、

サヨナラ


パァー…ン、





20100429

ススム モクジ モドル



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