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チョコラータとセッコ


『チョコラータは信頼する先生、噛みちぎられてはいません』
回収したメモ帳の一番最初のページに書かれた文字。
何度も何度も書き足された跡があった。
『白い服の女は看護婦、首と腕は直接繋がっていません』
『隣部屋の彼は患者、頭はひとつです』
『青い服の人は清掃係、足はいきなりはずれません』
『赤い女は見舞い客、足は6本もありません』
こういう調子で延々と文字が続いている
今まで見てきた患者の中で、最も異常だと思った。彼の見る世界は一体どうなっているのだろうと、研究したくなった。
彼―セッコは実に不可思議な行動をした。
6:30 起床時間になったら目を開く。しかし動かない
7:00 朝食が運ばれてきたが、全く手を着けず、何故かコーヒーに入れるための角砂糖を食べる
8:00 朝食が下げられるとすぐにあのメモ帳を取り出し、読み上げる。
メモ帳はなんと13冊もあり、セッコはそれを全て読み上げていった。
11:57 突然ピタリと音読を止めた。メモ帳を全てベッド脇のスツールに仕舞い、布団を掛け直したところで、丁度12:00、昼食が運ばれて
きた。
12:15 また角砂糖を食べる。今回はデザートに菓子があったが、それも食べていたようだ
食事が下げられ部屋に人がいなくなるとまたメモ帳を取り出し、読み上げる。
どうやら人に知られたくないらしい。
いつも担当している看護婦も知らなかったようだしな



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