「ふむ…甘党か」
ここまできて一番わかったことはこれだ。
それにしてもセッコの糖分摂取量は多い。絶対的な量は他の患者と変わらないのだが、他の物を殆ど口にしようとしない、というか糖分しか摂取していないような食生活でなぜ看護婦は担当医である私に報告しなかったのだろう。
あの看護婦はダメだな…こんど実験台にしてやろう
カメラの映像はもう十分見た。となれば実際に話して調べてみようじゃないか。
彼の病室を訪ねる
「やあ、セッコ、調子はどうだ?」
セッコは布団に頭まで潜った状態だった。返事がない
私は努めて明るく話しかける
「何も言ってこないんじゃあ何も解らないなぁ」
セッコはやはり布団から顔を出さず、じっとしている。どうやらだんまりを決め込むつもりらしい
ならば
喋らない人間の口を割る方法として、隠し事を暴く、と言うことをしてやろうじゃないか
回収していたメモ帳をパラパラと音がするように捲る
「ところでセッコ、そのメモ帳なんだが、いったいなんなんだ?」
途端にセッコは起き上がり、私の手からメモ帳を奪い取った。
「ぐぉ…見たのかぁ?」
「さぁ、どぉ〜だったかなぁ?」
「見たんだな!」
「そぉ〜かもしれないねぇ?」
「ぐぁう…俺は考えるのとか、そう言うの苦手なんだよ」
頭を抱えて悩みだした
そろそろ本題に移り、もとい戻りたい。
明るく喋るのをやめた
「で、そのメモ帳はなんなんだ」
「これはぁ…おれが間違えないようにするやつだ」
「何をだ」
「…現実か、俺が見た幻覚かだ」
「さっぱりわからん」
「俺…しょっちゅう幻覚が見えるんだ…メモ帳に書いとかねぇと忘れちまうから」




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