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クレイジーフォーユー



目が覚めたらカカシさんのベッドの上だった。そのうえ布団の下は素っ裸。慌てて飛び起きて服を着ようにも、昨日お風呂場で倒れて、素肌の上にカカシさんのTシャツを着せられていたから着るものがない。

不可抗力とはいえカカシさんに素っ裸を見られたと思うと、それだけで恥ずかしが込み上げてくる。できる限りあたしの裸を見ないように配慮してとりあえずTシャツを着せてくれたんだろうけど。(だってカカシさんにパンツを履かされるなんて死んでも嫌だ。)
でもその後、裸を見なられるよりも恥ずかしことをされたのだけど。

昨日は抗えない快感に為す術なくカカシさんの好きなようにされてしまった。それにはっきり言ってカカシさんは……その…とても上手だった。 カカシさんの手があたしの素肌を滑るように這って、そのうちにいいとろを探り当てられて。 低くて熱っぽい声で何度も名前を呼ばれて……思い出すだけで恥ずかしさが込み上げてきて顔が熱くなる。とにかくあたしたちはそういう関係、つまり恋人同士になったのだ。

「あたし、カカシさんと………」

口にするとよけいに気恥ずかしくなって、あたしは慌てて素っ裸にカカシさんのTシャツを来て部屋を出た。とにかく、下着を着けなきゃ…!

「おはよう、名前。」
「お、おおおはようございます!」

リビングに入ったら、カカシさんに声をかけられて飛び上がってしまった。だって、下着を取りに行くにはリビングを通らないと行けないのに、こういう時に限ってカカシさんはお玉を持って味噌汁の良いにおいをさせている。(ちょっとTシャツが捲れただけで全部見えちゃう…!)

「顔、真っ赤。もしかして……昨日のこと思い出しちゃった?」
「ちち、ちがいますっ!」

あたしの慌てっぷりにカカシさんはニヤリと口の端を吊り上げてからかうように言った。足の間はスースーしているし、透けてないかとか、他にも色々と心許ない格好で、話しかけられたら誰だって焦るに決まっている。なのにカカシさんときたらクスクスと意地悪く笑っている。

「ごめん、つい。からかいたくなっちゃって……名前は今なにも着けてないわけだ?」
「えっ、」

カカシさんはニヤリと笑って言った。愉しげな表情に嫌な予感を感じて、思わず後退る。あっという間に壁際に追い詰められて打つ手がない。

「ちょっ、まって……っ」

じりじり詰めよってくるカカシさんの胸を片手で押し返して、反対の手は胸元を隠すようにTシャツを握った。まさにまな板の上の鯉のような状況をどうやって切り抜ければいいのか必死に思案を巡らせていると、カカシさんの手がTシャツの中に進入してきた。

「だっだめ……!」
「どうして?オレたち恋人同士だよ。」
「そ、そうだけど…!」

昨日、あんなにしたばっかりなのに!とカカシさんを睨み付ける。あたしはTシャツの裾が捲れ上がって、あたしのパーソナルな部分が丸見えになりそうになるのを阻止しようとTシャツの裾を押えつけるのに躍起になった。
その間にもカカシさんの手はあたしの胸を触り出している。

「っ、やぁっあっ……!そんな触りかたしちゃっ、やっ」

触るというよりも揉まれている。それもなんだかエッチな触り方だ。カカシさんの大きな手で胸を寄せ上げられて、変な声が出てしまう。

快感から反射的に閉じてしまった目を、薄く開けてカカシさんを見ると熱に濡れた瞳をしていた。欲情されているんだ、と分かった途端に身体中が熱くなる。

「ねえ名前、最初に言ったでしょ?こーゆー格好はなしって。」
「そんなの、覚えてなっ……あっ、」
「ま、オレとしては悪くない状況だけどね。」
「まっ、まって!だめ…っ、あっ!」

一応抗議はして見たものの、あっさりカカシさんに抱き抱えられしまった。快感に蝕まれていく中で、そう言えば初めてカカシさんの家に来た日の朝、そんな事を言われたような気もしたけれど、もうどうでもよかった。