親しき友に[２]


なるほどな…それから？

それからって、あと何を聞きたいんですか


そうだな、じゃあ、結婚は？

結婚、ですか？


そうだよ、結婚。お前もナマエも、そろそろいい歳だろ？

…そうですね。僕は、したいと思ってますよ


おっ、やっぱりそうなのか！

ええ、でも、ナマエはきっと、結婚願望とかそういうの、ないと思うんですよ


…確かになあ、あいつは家庭ってもんに対していいイメージがないからな

だから、強要する気はないんです。たとえ結婚しなくても、一緒にいられれば僕はそれでいい


…そうだなあ

なに、笑ってるんですか


うん？あぁ、なんかさ、ナマエを好きになったのが、お前で良かったなあと思って

…どういう意味ですか？


俺にとってさ、ナマエは妹みたいな感覚な訳よ。だからずっと、幸せを願ってたんだ

…


あいつのことをちゃんと全部、深い闇の部分まで受け止めて、理解しようとして、愛してやれるやつがいればいいって、ずっと思ってたんだ

虎徹さん…


だから、ありがとな、バニー

…別に、貴方に礼を言われる筋合いはないですよ


ほんっと、素直じゃないやつ。相棒だろ？

それとこれとは関係ありません


つれないな。あ、でもバニー、覚えとけよ

何をです？


もしナマエと結婚するなら、まずは俺の所に来て、妹さんを僕に下さいって言うんだからな

…馬鹿なんですか？言いませんよそんなこと


いや、駄目だ。そうじゃなきゃナマエはやれない

そもそも、ナマエは貴方のものじゃありませんよ。何で貴方を兄と呼ばなきゃならないんですか


そんなに嫌がることないだろー？

絶対に嫌ですね


可愛くないやつだな

貴方に可愛いなんて思われたくありません…っと


電話か？

誰でしょうねこんな時間に……あ、


愛しの彼女からってか？

ちょっと黙ってて下さい…もしもし？ナマエ、どうしたんですか、こんな時間に。…いえ、大丈夫ですよ、はい。


…そんな顔も、出来るんだなあ、お前

はい、あ、分かりました。…え、そうなんですか？


おーい！ナマエー！

ちょ、虎徹さん！黙ってて下さいって…え？ああ、そうなんです。今家で飲んでて…


ナマエー、まだ嫁には行かせないからなー！

っ、いい加減にして下さい！


なんだよ、怒るなってバニー

怒りたくもなりますよ！



｢相変わらず、仲いいね｣

ははっ、だろ？
そんなんじゃありません！




親しき友に
- 素直になれない
ありがとう、を -




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