君が失った全てのもの[3]
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夕食後のコーヒータイムを終えて、バーニィがシャワーを浴びて来ると言ったので。

「お風呂、一緒に入る?」

そう尋ねれば。

「えっ?」

バーニィは目に見えて狼狽した。
頬を赤く染めて、視線を彷徨わせて。

「ね、寒いしお湯張って一緒に入ろ」

いつもはこんなこと言わないけれど。
今日は大サービスだ。

「…はい」

バーニィが、恥ずかしげに頷くから。
可愛いなあ、なんて思ってしまう。
普段の格好良さとのギャップが、凄く好きだ。

バスタブにお湯を張って、先に入ってバーニィを待つ。
きっと女の私よりも恥ずかしがるだろうと思ったから、中に乳白色の入浴剤を入れておいた。
案の定、そうっとドアを開けて入ってきたバーニィの顔は既に真っ赤になっていて。
お風呂に入る前から逆上せているみたいだった。

私の家のバスタブは、バーニィの家のそれほどではないが広さはあって。
2人で入っても全然窮屈にはならない。
向かい合って座って、どちらからともなく笑った。

いつもの眼鏡を外している分、バーニィは幾分か幼く見えて。
少し水を含んだ金髪が、キラキラしていて綺麗だった。

「そっち、行ってもいい?」

バーニィに脚を伸ばさせて、その太股の上に座り込む。
そのまま上半身を前に倒せば、服を着ている時には分からない逞しい胸板に受け止められた。

背が高いから細身に見えるが、実はバーニィは筋肉質だ。
ちゃんと鍛えられた身体は硬くて、無駄がない。
首筋に頬を寄せれば、そっと伸びてきた腕に抱きしめられて。

「あったかい、ね」

幸せだなあ、と心の中で呟いた。

「はい。…あの、ナマエ」

もごもごと、歯切れ悪く名前を呼ばれて。
なに、と聞こうとして、先に答えを知った。

私の下腹部に当たる熱。
お湯が真っ白だから見ることは出来ないが、バーニィのものが反り返っているのは明かで。
じん、と腰に響いた。

彼は、長い間性欲とは無縁だった時期がある反動なのか、その若い身体はとても貪欲で。
僅かな接触でも、こうしてすぐに反応を見せてくれる。
彼が求めてくれている、その事実は圧倒的な力で私を引きずり込んでいく。

顔を上げれば、気まずそうに視線を泳がせるバーニィがいた。
身体は感じやすいのに、彼の羞恥心はなかなかしぶとい。
ちょっとやそっとじゃ手放してくれないから。

私は黙って、バーニィのものに手を伸ばした。


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