「 3 」

「シカマルの家庭訪問?」

「そう。あいつ、心配だからさ。だから先生が直接見に行ってみようと思ってな。今日のお前の写真もあったし…べつに保護者の方を信じてないわけじゃないけど…まぁ取り敢えず会いに行ってみるさ」

 ナルトの顔が輝く。
「俺も行く!」

「はぁ?」

「シカマルんとこ行くんだってばよね? 俺も気になってたから、行く!」

 俺は渋顔を作る。「サボリだズル休みだなんだって言ってたくせに、しらじらしいな、ナルト。だいたい、お前、シカマルと仲良かったか?」

「ムキー! 失礼な奴だってばね! 先生が知らないだけで、俺はシカマルとは結構仲良いんだってばよ。落ちこぼれ同士!」


 そう言ってニカッと笑ったナルトは、
 しかし、すぐに、
 悲しそうな顔をする。

 消え入りそうな声。

「ズル休みとか言って騒いだのは、素直に『心配だ』って言うのが照れ臭かったからだってばよ…。本当は、シカマルが突然1カ月も俺らの前から姿を消して…心から心配してるんだってば。仮病を使ってまで俺らから距離を置く必要のあることなんて、想像ができなくて…心配だ。シカマルん家行っても電撃で攻撃してくるみたいに激しく追い返されちゃうし…。だから…先生と一緒だったら、さすがに家に入れてくれるかなって…思って…」

 普段明るくふるまっている彼の、そのシュンとした表情を見て、俺の身体は頭で考えるよりも先にナルトを抱きしめていた。

 力強く。

「ナルト!」

 ガバッ!

「わっ、なんだってばよ、」
「先生は感動した! そこまでお前がシカマルのことを思っていたとは…! お前は友達思いの良い奴だな! 先生は感動したぞ、ナルト!」

 そう言って、一度身体を離し、腰をかがめ、ナルトと同じ目の高さにする。驚いた表情のナルトの顔を覗き込み、真っすぐ目を見て話す。
「よし、先生と一緒に行こう! 一緒にシカマルに会いに行こう!」

 すると、ナルトは花が咲くように破顔した。
「うん! 一緒にシカマルに会って、一発シメてやるってばよ!」

「そうだな〜!」とニコニコ言いながら、俺はナルトの手を取って、奈良家へと向かった。

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 おまけ

 イルカの腕の中で、ナルトはほくそ笑んでいた。
「 計 画 通 り 」(参照画像)

 我ながら、やっぱ俺の演技力すげぇわ…!

 イルカの前で腕バチィ!なんてことになったらマズイだろう。『ナルトにだけ反応する強力な結界が張ってあります☆』なんてことをイルカに知られたらマズイ。あいつの大嫌いな『面倒臭いこと』になるのは明白だ。
 だから、あいつは、イルカの前では、塀の結界を解くしかない。

 ――利用して悪ぃな、センセ。

 本当は罪悪感など一切持っていないが心の中で謝罪し、ナルトはまた演技を再開した。

 一ヶ月も待ったんだ。シカマルたち2人に会ったらどんな報復してやろうか…
 などと恐ろしいことを考えながら。

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