「 夢の中で2 」

 楚々とした双眸が裕也を射抜く。

 裕也が驚いている間もなく、彼は腰のホルスターから刃物(クナイか?)を滑るように出し、一瞬で裕也の首を裂いた。

 いや、裂いていなかった。

 裕也の常人離れした反射神経が咄嗟に避けていた。

 振りかぶる少年の手。

 後ろに避けて少年から離れた裕也。

 2人の視線は合ったままだ。

 殺気に満ち満ちた少年の青の目。
 絶望と憎悪に染まった深い青。

 少年の綺麗な顔立ちからは考えられないような眼をしている。


 彼の乾いた唇が動く。

 水分の抜かれたような、かすれた声。


「みんな、ころしてやる」


 えっ…、


 そこに、ただならぬ絶望を見た気がして、裕也は目を見開く。

 少年の目から一筋の涙が流れる。

 きれいな、涙

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