はきだめ | ナノ


1231 11:11

撒き散らす場所
文の構成など考えてないので雑で読みにくいです
とても短い
いつの間にか増えたり減ったり



0725 03:25

※言ギル fate

空気を裂く音が聞こえてすぐ、それは男を貫いていた。派手に飛び散る返り血を浴びるのはきらびやかな金髪の青年、そしてその様子を見ていたのは漆黒に身をつつんだ神父だった。起こった出来事は一瞬、ただ青年が男を殺したというだけのことだ。何が彼の不興をかったのか数秒で命を絶たれ、無惨な姿となっている。神父である言峰綺礼が顛末を傍観していたというのはおかしな話だが、あの瞬間に助けに入るのは無理難題であったしそもそもその気も無かった。
「無意味に殺すのはやめろと…」
「意味ならあるさ。この我の為になっただろう」
「なら無闇に殺すのをやめろ、ギルガメッシュ」
名を呼ばれた青年は振り返る。周りに飛び散った赤色と同じ瞳の色をしていた。この世の美を集めたような彼の姿が返り血で汚れているのが、むしろ綺礼の目には美しく映る。こうして一度傷を付けてからでないと、そのものの美しさを感情を伴って理解することが出来ない。言峰綺礼は生まれつきそういう人間だ。それを気付かせたのはギルガメッシュだった。生まれついてのものなら仕方ない。仕方ないと自分に言い聞かせていた。もう止めるものもない。かつて自分に施した枷は外されてしまった。そのとき、自分の前で血にまみれている王は何と言ったのだったか。
「愉しめよ」
綺礼ははっと顔を上げた。うつくしい青年が自分に向かって愉しめと言っている。この悪徳を。
「何をどうしろというのだ」
「哀れな生き様を、残酷な終わりを、あらゆる災厄をおまえは喜んで受け入れるべきだ。きっと言峰綺礼という存在はそういった生き方しか出来ないのだから」
なあ?とにんまり笑うギルガメッシュは心の底から愉快そうで、ここが殺人現場であることを忘れそうになる。今更だな、と綺礼は苦笑した。この身は道化だ。黄金の王を観客に、答えが出るそのときまで踊り続けると決めた。ならば自分も楽しまなければいけない。ふと足元を見れば血溜まりに自分の姿が映っている。綺礼はそれを否定するように踏みつけた。



0716 03:32

beautiful fighter/優一と京介 inzmGO

自由に動く足と引き換えに優一は弟の心を手に入れた。しかし弟である京介には何よりサッカーが必要なのだと、優一は思う。もし事故に遭ったのが自分でなく京介だったら、と考えると途轍もない恐ろしさを感じた。足が動かないのは怖くなかった。むしろ、京介が車椅子を押す役目を請け負うので、共にいられる時間が増える。彼の打算的とも言える心情を弟は知らない。
「学校は楽しいか、京介?」
「…別に、普通だよ」
ぶっきらぼうな答えが返ってきたものの、優一には、最近の京介がどこか嬉しそうに見える。彼はなんだかんだで学校を、特にサッカー部での活動を楽しみにしているのだ。優一の足が動かなくなっても、サッカーがすきという気持ちは二人共変わらない。そもそも嫌いになる理由がなかった。足が不自由になったのはサッカーの所為ではないし、一生懸命リハビリをすれば治ると信じている。そうしたらまた昔のようにボールを追いかけて走ることが出来るようになる。
「早くおまえとサッカーしたいよ」
呪いじみた言葉は京介に重くのしかかった。兄が笑っているのだから自分も気丈に振舞わなければ。そう思って、俺もだ、と言うしかなかった。



0505 02:43

米と英 aph

彼は目を瞑って道の真ん中に立っていた。そのままラインを辿るように歩き出す。いくら車の通りが少ない道だからといって、そんな行為は無謀ではないか。俺は歩道から危なっかしい彼を見ている。まるで夢遊病患者のようだ。花畑でも歩いているつもりなのか。君のそれはただの自殺だと教えてやりたいのだが、やはり傍観に徹した。体がふらりと揺れてこちらを向く。
「このまま俺が轢かれても、おまえはなんとも思わないんだろうな?」
「そんなこと…」
ない、と言い切れない自分がいる。イギリスの体がバラバラになってしまうのは想像に容易い。それを見て何を思うだろう、感じるだろう。分からない自分が腹立たしかった。彼はどうする?と手をのばしてくる。突き放すのも手繰り寄せるのも自由だ。責任を押し付けるのはやめてくれ、君はもっと賢しくなるべきだ。俺は道の真ん中に向かって足を踏み出した。



0424 02:40

わたしの××××/言ギル fate

彼が身に纏う装飾品たちが音を立てれば、たちまち辺りは華やかな雰囲気になる。金の刺繍が細かく施された布をかぶって、まさか聖母の真似事かと問うたらそうだと肯定した。しかし、華美の中心にいる男には聖母のような慎ましさは欠片もない。似通っているところがあるとすれば、慈愛という言葉が当てはまりそうな笑みである。そうだ。彼が言う愛とは慈しみのそれなのだ。ひとのようでひとでない、王の眼差しは万人に等しく向けられ、気に入った者には特別目をかける。それも慈しみの範疇を越えるものではないのだろう。
「おまえは特別だぞ、綺礼。光栄に思うがいい」
所詮、特別お気に入りの玩具といったところだろう。或いは道化か。おまえの特別が他にいることを知っている。この英雄王は誰のものにもならず、汚されもせず、絶対で唯一の黄金の王だ。高慢な態度の根拠などは想像せずとも分かる。何を今更救おうなどと言うのか。
「我が認める、我が許す、おまえの罪を我が飲み下してやる。だからおまえは自身の幸福を追い求めるがいい。愚かで滑稽な姿を見届けてやろう」
彼の言葉は毒だ。しかしひどく甘いものである。きっと神だってこんな傲岸な態度でものを言うようなことはないだろう。ましてや。
「私のようなものでも祝福されると?」
「然り。さあおまえは王の許しを得たのだぞ、悲劇の一つでも起こしてみせろ」
ばさりと両腕を広げる姿は子を待ち受ける親のそれに似ていた。それでいて笑みはぎらついた嗜虐が垣間見える。ああ、とんでもない聖母もいたものだ。



0409 02:03

不破と鉢屋 rkrn

三郎の背骨をなぞる。滑らかな肌に浮き出たそれは僕の指に確かな感触を残す。
「なあ、流石に君でも骨格までは無理だろう」
「変装の話かい?そりゃあ、そこまで出来たらそれは奇怪なことさ」
無理だよーと笑う。かれの骨の数はきちんと足りているのだろうか。肋骨は左右で十二本ずつあるらしいが、数えようにも表面を撫でただけではよく分からなかった。きっと僕のも同じような形をしていて、数も揃っているのだろう。或いは左右対称なんて、いいね。



0327 02:09

亜風炉と貴志部 inzmGO

「監督。俺は本当に感謝しているんです。バラバラになりかけていた木戸川を救ってくれたのは、貴方でしたから」
チームの将たる証を左腕に付けた少年は澄んだ水面のような瞳を、麗しい金の髪を持つ青年に向けている。少年は聡明で利口だった。仲間達を纏めるカリスマも持っているし、何も咎める部分などない。しかしその少年、貴志部大河という人物は些か人を信じ過ぎてしまう面があった。監督である亜風炉も、彼のそういったところを案じている。いつか恐ろしいことになってしまうのではないか。
「貴志部、君は僕を過信している。僕は評価に値するような人間ではないよ」
「そんなことありません。監督がいなかったら、俺たちは…」
それ以上を言うような愚行を貴志部はしない。監督が何を言わんとしているのかは分かるし、したらばの話をするのは意味のないことだと知っている。でも言いたくて仕方がなかった。貴方は俺のかみさまなのだと。亜風炉は微笑みで黙殺する。彼の前では人間でいたいのだった。



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