「暑い・・・夏爆発しないかな」
「するわけねぇだろ、バカなのお前」
「分かってるよ」

ただ今このピンク頭に押し付けられ、こいつの仕事の報告書を作っているんだけど、暑くてなかなか手が進まない。クーラーを使おうにも、クーラーはつい先ほどピンク頭の産んだ蟲によって廃棄物と化した。理由は私ではあるけど壊したのはこいつだ。私は悪くない。というか、何故こいつは私の部屋にいる。ソファーなんてものはないから、代わりに私のベッドに座っているこのピンク頭兼トミーロッド。おいやめろ、ごろごろすんな。

「暑くないのトミー」
「あ?暑いに決まってんだろ」
「なら出てけ。もうお前から聞く事は無いから」
「やだネ」

うぜぇ。どんだけ根に持ってるんだこいつ。謝ったじゃんか。その後「お前が紛らわしい顔してるから人に見えないんだよ」と言った私も私だけどさ。事実じゃないか。全く男は面倒な生き物だ。女はさらに面倒だけど。

「喉渇かない?」
「飲み物取りに行ってやらねぇからな」
「冷蔵庫に水晶コーラあるんだけど飲む?」
「・・・早く出せよ」

やっぱ喉渇いていたか。
冷蔵庫から水晶コーラを出して、グラス2つを持って隣に座る。グラスに注いでやるとすぐに取って飲み干された。どんだけ喉乾いてたんだ、こいつ。あ、男女がベッドの上で飲み物を飲む。これは、

「ヤった後みたいだね」
「は・・・?」

おっと口に出してしまった。心の呟きだったというのに。「何言ってんのこいつ」みたいな顔をされ、おそらく次はぶん殴られるな、と思い身構える。が、口が紅い弧を描いただけで、動こうとはしない。あら、予想が外れた。

「お前がその気なら、抱いてやろうか?」

代わりに、そう提案したトミーの目には狂気がありありと浮かんでいた。


「遠慮する」
「ボクもお前相手じゃたつ気しねぇよ」
「だろうね」


私に仕事を押し付けに来たグリンに「仲いいな」と言われてトミーが襲い掛かるまで、あと10分。
そんな夏の午後、私は一人心でつぶやいた。
■ 夏爆発しろ

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