始まりの春は出会いの季節



周りに桜の木がたくさんある2階建ての綺麗なアパート


それが私の新しい家。




「あら、新しくはいる子かしら

名前は、・・・えーっと、御鹿すずさんだったわね」


『あ、はい。よろしくお願いします』


「はい、これ部屋の鍵ね

2階は今住んでる人が1人しかいないから挨拶は楽ね」


『ふふふ、ですね』


"じゃあ、頑張ってね"と言って部屋に戻った管理人さん

優しそうなおばさんで良かった


『荷物、頑張って運ぶか・・・』


クローゼットやタンスなどの家具は引越し屋さんに運んでもらったけど

ダンボールのものはまだ少し残っている


『・・・うっ、おも・・・っ』


たかがダンボールと侮ってはいけない

やっと持ち上げたけど腕がぷるぷるしている

一歩を踏み出したとき、・・・石に躓いた


『、うわっ・・・』


"転ぶ"そう思いぎゅ、っと固く目を瞑った


「・・・あ、っぶね、・・・・・」


私は転ぶ寸前のところで助けられたようだ


「ったく、荷物もってやるから」

『・・・え、』

「隣に来たやつだろ?」


そこで振り向いて初めて顔を見た

赤い髪の男性だ


『あ、ありがとうございます』


重いダンボールを軽々と持つ赤い髪の人

私も自分に持てる重さのものを運んだ




「・・・っと、これで終わりか」

『ありがとうございます、すごく助かりました。』

「いいって別に、じゃあ。」


そう言って自分の部屋に戻ろうとした


『・・・あ、あの!』

「・・・・・?」


ドアを開け入ろうとしたところを呼び止めた


『わ、私っ御鹿すずって言いますっ

お名前聞いてもいいですか・・・?』


勇気を出して言ってみた

緊張で顔が熱くなるのがわかる


「・・・松岡凛、よろしくな」


ふっ、と笑って答えてくれた


『よ、よろしくおねがいします』


お隣さんも優しい人で良かった

ここに来たのは正解だった


私はこれからの生活に心を躍らせて部屋に戻った




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