恋人なんだから俺を優先するッスよね?
「すずっちー!かーえろっ」
『あー....ごめんだけどさ
今日呼び出されてるんだよね』
見えない尻尾を振りながら教室へ入ってきたわんころ
機嫌良さそうににこにこ笑ってるけど
遠回しに一緒に帰れないことを伝えると鬼の形相に変わった
「呼び出しって、誰にッスか」
『委員会の報告なんだけど
今日は先生いないから田中くんに教えてもらうの』
「それ、男ッスよね、じゃぁだめッス」
でた、涼太の我儘(という名の束縛)
忠犬も男絡みになるといい子ではいられないようで
何かとしつこく聞いてくる
『でも委員会だよ?それは仕方ないじゃん』
「...は、すずっちは恋人とその辺にいる男とどっちを選ぶんスか」
『そりゃ涼太を選ぶんだけど、そうじゃなくて』
「恋人を選ぶんなら当然優先するのは俺の方ッスね」
そう言って涼太は帰るッスよー、と私の腕を引っ張って教室を出た
........ごめんよ、田中くん
残念だけど、こんな涼太が好きなんだよね