これの続編


一週間前に、赤也と別れた。"夜露死苦レター"による告白から、まぁ一応付き合ってみるかと恋人同士になってみたけど、赤也的にはなんか違うらしい。なんだよなんか違うって失礼だな。「先輩たちと一緒にいる結衣先輩のが楽しいっス」ってわからなくもないけど。そんなこんなで今はブタと白いのに加えて、赤也とつるむことが多くなった。そしていつものように4人でinマック。3人は部活だから私は教室で待ってて、合流ってのが最近のいつもの流れ。



「丸井食べすぎー」

「うっせ」

「うわ反抗期?こわーい」

「丸井、今日の試合で幸村にボッコボコにされたんじゃよ」

「キャアアさすが幸村くん!素敵!」

「ちげーだろそこは俺を慰めろよ!あと赤也笑いすぎムカつく」

「うっわ何するんスか!俺の!ポテト!」

「はーい落ち着こうね赤也くーん」


あーんって私のポテトを赤也の口に放り込むとちょっと顔を赤くさせて黙った。なんだしまだ私のことちょっと好きじゃん嬉しいけど。そんな私たちを見て丸井と仁王はフリーズ。あれ、言ってなかったっけ?仁王は知ってると思ってたんだけどな。


「え、まだ続いとったん?」

「そっちね、もう別れたよ」

「仁王先輩知ってたんスか」

「そりゃあのう…」


「なぁ。俺、付き合ってたことも知らなかったんだけど」



あらら。更に不機嫌になっちゃってんじゃん!気まずい雰囲気。「丸井もあーんっ」ってごまかそうとふざけたノリでポテトを口元に持っていったら、食べるんだけどちょう睨まれた。食べるのかよ。まぁいいけど。


「え〜ずる〜俺にも〜」

「仁王先輩シーッ!」


空気読めよ仁王。赤也は丸井がこんなに怒ってるとは思わなかったらしくちょっとオロオロしてる。丸井が不機嫌なのはよくあるし慣れてるけど、今のはなんだか、淋しそう。


「なんで言ってくんねえの」

「知らないと思わなかったんだよ」

「言えしちゃんと」

「ごめんね」

「俺だけハブとか意味わかんねえ」

「……」


めんどくさ!!淋しそうってか完全に拗ねてるだけじゃんめんどくさい。つか一回謝ってんのにしつこいなもう。お前が意味わかんないんですけど。いつも丸井が勝手に彼女だかセフレだか知らないけど可愛い女の子連れても私何も言わないのに!


「ハァ?結衣だって不機嫌になるくらいあるだろーが」

「なりませんー!つか何?私が彼氏作ったらいちいちブタに言わなきゃなんないわけ?」

「ブタじゃねえしお前なんかマジ彼氏出来ねえし」

「いやだから赤也元カレだし」

「ムカつく」

「なんでよ」

「話せよそういうの」

「アンタに私の彼氏遍歴教える義理なんてない」


あっ、しまった。
言った瞬間なんだか心臓がヒヤッとした。恐る恐る丸井を見つめると、驚いたような切なそうなそんな表情をしていた。ごめん、と謝ろうとした瞬間、丸井は突然立ち上がった。丸井はまだ外は寒いというのにカーディガンを脱いで乱暴にラケバを掴んでマックを出て行った。丸井が座っていた席にお揃いで買ったいちごみるく色のカーディガンがあって、すごく後悔した。ああ、やってしまった。しばらくして私が頭を抱え込んだら仁王が頭を撫でてくれた。


「…あーっ、ごめん」

「ええよ、今回は丸井がわかりやすく拗ねとったのう」

「えっと…なんかスンマセン、俺…」

「赤也は悪くないよ。…ああ〜どうしよ〜丸井〜ああ〜」

「いつもこんな感じなんスか?」

「いんや。いつもはあんなに妬かんよ」


ああもうめんどくさい。いやでも一応フォロー入れとかないと後々もっとめんどうだよな。とりあえず今日の内は何もしないで、明日お菓子と一緒に謝りに行くか。しかたないな。でも今日の丸井ヘンなの。


「そんなに怒ることかな」

「だから怒るっちゅーより妬いとるんじゃろ」

「え?」

「え?」

「いや丸井が私に妬くとか有り得なくない?」

「むしろ俺はどう見ても結衣と赤也の仲を妬いとったじゃろ…な、赤也?」

「うーん、何となくっスけどそんな感じしましたね」


ま じ で か。
なんだよ可愛いなもう。自分がちょっと蔑ろにされたくらいで淋しがり屋だなぁ。まぁ丸井ってけっこう淋しがり屋だよね元々。淋しがり屋じゃなかったらカーディガンの色オソロとかにしないしね。お互い髪色は即効青から戻してたけど。無駄に傷めただけだったなぁ…と俯いて目に入った髪を見て思い出した。





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