聖なる夜の。2



季節は巡り一年後、サンタ達にとって一番忙しい時期がまたやって来た。鈴の音を鳴らしながら、澄んだ夜空を駆ける赤いコートを纏った人々。トウヤも、そんな人々の一人であった。

子供達の枕元にプレゼントを置きながらも、一年前の、あの子供の事が頭から離れない。一年経った今でも、あの子供は自分の事を覚えているだろうか。

「…つうかよく考えてみれば不思議なこどもだったよなあ…」
まずあんな大きな城に一人ぼっちでいるのがおかしい。普通のあれぐらい小さな子供は、親だとか兄弟でいるものだと思う。まあ、そうではない家庭もあるかもしれないが。
さらに、自分を見たときの反応。ポケモン達を庇おうと張った小さな体。そして発せられた言葉――
「一体何なんだろうな、あの子供は。」
呟きは白い息と共に流れ、消えていった。

「……そしてやっぱり去年とおなじか……」
目の前に近づいてくるのは例の城。何となく予想はしていたが、いざ、また会うとなると、楽しみであり怖くもある。
そんなこんなでドキドキしながら城に入り、トウヤは目的の部屋へ続く扉を開けて驚いた。目の前に、去年のあの子供がいて、彼を見るなり抱きついてきたのだ。
「え!……ちょ、何!?」
もう目を白黒させるしかないトウヤに、その子供はちら、と笑って、言った。
「また会えた、サンタのお兄ちゃん!ボクの名前はN、アナタの名前は?」
「ト、トウヤだけど……って、ええ!?何で、俺がサンタだって……!?」
「あの日から、調べてみたんだ。アナタにまた会いたかったから。」
トウヤ、絶句。こんなあっさりとサンタだとバレて、この先まだこの仕事を続けられるのか。
「えーと、あのさ……俺がサンタやってるという事、誰にも言わないでくれるか?」
頼む、と手を合わせるトウヤを見て、Nはコクリ、と首を縦に振った。
「じゃあその代わり、話をしてくれる?」
こちらを見るその子供の目は、どこか寂しさが滲んでいて。
「…俺でよければ。」
思わず了承してしまったトウヤだった。



(Nという子供と、友達になりました。)




再会。そしてここから始まった。(意味不明)






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