日本に帰って来て1週間が経つ。
時差にももう慣れた。
勉強にも難しいけれどついて行ける。
友達も出来た。
部活は入らなかった。
…お兄ちゃんと一緒に帰れないし。
笹川さんのことも知った。
本当に可愛いし、優しい。
それに面倒見が良い。
あんな人がお姉ちゃんだったらどんなに幸せだろう、
なんて何度も思った。
別に変わったことは無い。
ランボともイーピンとも、フウ太とも仲良くなれた。
ビアンキさんも素敵な人だった。
部屋も幾分か綺麗になった。
カーテンも付いたし、机にはマフィアの本だったり小説が並んだ。
ダンボールも全てなくなった。
マフィアとしての腕は衰えてない。
実際に戦っても何の支障もない。
でも気になることがひとつある。
私は並盛の街を歩きながら考えていた。
家じゃあチビッコ達が騒がしくて考えられそうにないから。
出来ることなら1人で考えられる場所が良い。
ふと街を見渡せば日はもう暮れかけていた。
私は橋の上にいた。
夕日が反射している川は凄く綺麗に輝いていた。
自分が気にしていることは勿論分かっている。
『あれ、妹?』
「や、山本、先輩。まゆこです、」
『山本で良いって、』
この人のことだ。
『どうしたんだ、ツナは?』
「あ、一緒じゃない、です」
この人といると心臓がはち切れそうになる。
顔が熱くなる。
『あれ、妹顔赤くなってねえ?』
山本先輩は私のおでこに手のひらを合わせた。
『熱あるんじゃねえの?』
「や、大丈夫、です、から」
『ほんとか?』
「はい」
『そっか、なら良いけど』
先輩はそう言ってにかっと笑って私の頭を撫でた。
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