山本先輩はお兄ちゃんみたいな人だ。
でもお兄ちゃんと違って一緒に居ると
どきどきする、
他の人と違う感じがする。

このどきどきは、何だろう。


『おっと、もういかねえと。またな、妹』
「だからまゆこですってば、」
『ははっ、じゃあな、気を付けろよ、まゆこ!』
先輩はそう言ってもう一度私の頭を撫でて帰って行った。


…初めて名前で呼ばれた。
どきどきが止まらない。
先輩を思い出す度にどきどきする。

頭はボーッとしていたまんまで、私はそのまま家へと歩いた。



『それは恋よ!』
電器屋のショーウインドーの中のテレビに映る女優が叫んだ。
私は思わず足を止めテレビを見た。

『その人と居て、どきどきするんでしょう!?胸が苦しいんでしょう!?』
それはまるで私に言って居る様だった。

『だったらそれは恋よ!それが恋よ!』

恋、私には聞き慣れない単語だった。
でもこの女優の言う通りなら、きっとこれは恋だ。
私はよく分からないまま家に着いた。

お兄ちゃんが心配してくれていたみたいだけど耳に入らなかった。





恋なんてものは、





(どきどきで、)(大変なのね)




お兄ちゃん、初めて恋しました。







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