こんにちは、エイコです。
無論、軍属になると公言した時にサイアリーズ殿下に猛反対されたけれどね…
でもこの王子が負ける=私の死亡フラグが立つのよ。
何とか彼女を言い包めて軍属する事をファールーシュ王子達に了承させて数日、この軍ヤベーと思った私は手始めに軍資金から集める事にした。
ファールーシュ王子の執務室へ私は資料を持って出向く。
執務室に入ると護衛の姿がない。
何をしてるんだ、護衛!!
此処にいないリオンにイラっとするが顔には出さない。
「エイコ、どうしたの?」
書類整理しているファールーシュ王子は、何処かやつれているように見受けられた。
「実は軍資金の事で話が御座いまして…」
私の言葉にファールーシュ王子はペンを置き聞く体制に入る。
私が纏めた資料を彼に手渡し説明に入った。
「黎明軍には無駄が多過ぎます。余分なお金は軍備に充当しましょう。」
ゴドウィンに負ける前に散財する軍師を筆頭に金遣いの荒い者共に自滅するのがオチですもの。
「ファールーシュ王子が仲間集めに出掛けていらっしゃるのは存じております。出向いた先で交易をしましょう。また黎明軍は正規軍より大分劣ります。実戦も兼ねてレベル上げと交易をしてお金を稼いで貰いましょう。」
軍は一軍、二軍、三軍まで分けた。
軍階級が上がれば待遇も良くなる。
特別待遇が与えられればやる気も出てくるでしょう。
自分の食い扶持は自分で稼いで貰わないと、ねぇ?
ファールーシュ王子は、私の案に了承してくれた。
「ファールーシュ王子、勝ちに行きましょうね。」
貴方が勝利してくれないと私の死亡ルートが確定しちゃうんです。
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ファールーシュ王子の下に人が集まってくる。
それは彼の人望なのか、それとも内乱で生活が貧困してどうしても…と云う事なのだろうか?
まぁ、どちらにしろ私は彼等を育て上げるまで。
「初めまして、エイコと申します。本日を持ちまして貴方達の指導をさせて頂く事になりました。」
反感も隠せない彼等に私は嗤う。
ヒソヒソと陰口を叩くのは頂けないわ。
「そんな細っこい腕で指導ってナニを指導してくれるのかい?」
野卑た言葉に続くように私を見下す言葉に私の補佐に任命されたベルクートが怒りを露にした。
「ベル。」
私は彼を制止、一歩前に出て
「私の下に就く事が不服な者は前へ出なさい。私と模擬戦を行いましょう。私が負けたら軍を去りましょう。勝ったら私の下に就きなさい。」
宣言を下す。
我先にと名乗り出る馬鹿共を調教し、鍛錬所は屍累々と成り果てた。
うん?
勿論、私の圧勝で終わりを告げたのは言うまでも居ない事でしょう?
さあ、跪きなさい。
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